コミックビーム2017年2月号

  • 表紙絵は桜玉吉。アオリは「そのうちなんとかなるかもね。」お、おう。

●H.P.ラヴクラフト・田辺剛『狂気の山脈にて』/以前と今回、どちらも異生物発見シーンが見開きなのだけれども、状況で変わる雰囲気、その描き分け。
桜玉吉『ざらめ月夜』/読み切り6ページ。風呂マンガだな。柱アオリ「いろいろ考えすぎなんじゃねえの?」は直接的すぎるよ!
●横山旬『あらいぐマンといっしょ』/前作もバイタリティある少年少女主人公だったが、大人の姿でやられるとこういう危なさになるのか…。
おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/白飯のおかず。ラーメンライスについてはAIRプレイヤーという新世代が(えー)。チャーハンをおかずにご飯、というのは以前デブ芸人の誰かが言ってた。
山田参助あれよ星屑』/田舎出身の身としても、こういう死別の不遇さはなぁ。女性像として都会の彼女達と何が違うのか、と考えると。
カネコアツシ『デスコ』/罪の意識がなければ罰もない、とこういう決着か。で、さらなる急展開?
三宅乱丈イムリ』/これはまた複雑なやりとり…単行本で読み返さないとなぁ。印のあるイムリはカーマに捕らえられた(かつて敗北した)ということは、この現象起こさない、印の消えたチムリが正しい形なのか、あるいは名前を使わない彩輪こそが有用なのか。ニコの姿に重なる周囲の吹き出しや、腕が見せる時間経過がまた残酷な図。終盤は前回の「夢見ぬ双児」との対比でもあり。あと、男の涙はこういう描き方になるのね。/アオリが「クライマックスへ……!!」と言い出してるけど、いやまだ続くでしょこりゃ。言ってみれば、途中からずっとクライマックスみたいな作品だし。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/落語シリーズ・バンパイヤ×饅頭こわい。集団ネタ、中途の概説、無音アクション、と新たな挑戦も。表情のアップの入れ方が、確かに手塚っぽい構成にも見える。
松田洋子『大人スキップ』/子供の嘘、ではあるのだがそこに含むアンビバレンツがな。苦い。
羽生生純『恋と問』/サザエさんひでえ(笑)。まあしかし父母共に現役というのは“ちゃんとした”続編ではあるのか(?)。
●伊図透『銃座のウルナ』/ここにおいて像が結ばれ、戦が終わり、死が並ぶ。死者二人はあの幻想的(と言っていいものか)なセックス描写が前提、という構成でもある。
三家本礼『血まみれスケバンチェーンソー』/反魂なるやいなや。「我々は未成年だからたぶん大丈夫だ」、うん、まあ。
朝倉世界一『おれは たーさん』/森の動物たち。ゾンビ化蘇生は血スケと同じモチーフのはずなのだがこの落差。そちらに帰るのね。次回最終回。
須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/小屋の外へ、プラティーノも芋も。靴の存在はおもしろいメタファーになりそう。オルゴールで反射的にカウボーイビバップ連想する私の頭は望ましくない。最初と最後のページの、空と影の対比がすごくいいんだけれども、これもアナログ作業なのかな。
山川直人『小さな喫茶店』/話される人生。流れと焦点、渦中と回想、とその座り心地のぎこちなさ含め、歩みのリアリティよな。いいおはなしだ、うん。
いましろたかし『新釣れんボーイ』/(本業の)お金の話。確かに漫画家マンガにおいて内も外もない、という作品ではあるのだが。
新井英樹『SCATTER -あなたがここにいてほしい-』/最終回。続く人々と変身主人公、こういう終幕か。最終巻表紙絵ふくめ、『キーチVS』と対になる物語であった。メーター振り切ったまま走り通してくれましたな、ありがとうございました。お疲れ様でした。
SCATTER あなたがここにいてほしい 8巻 (ビームコミックス) キーチVS 11 (ビッグコミックス)


  • 市橋俊介コラム「漫画載らない、ビーム死ね!」がおもしろかったです。