週刊少年チャンピオン2017年48~52号

48号(※10月26日発売号)

佐藤健太郎魔法少女サイト』/移籍新連載。クズ処刑ものか。

渡辺航弱虫ペダル』/それはもう、彼岸の光景が浮かんでいるのでは。

●伊科田海『GREAT OLD』/なぜこんな封印方法が選ばれたのか、という点もあるしな。

桜井のりお『ロロッロ!』/二人でお出かけ。集中連載時に描かれた町並みの鳥瞰はちょっと特殊だった気がするが、普通に現代文化なのか。記憶のインプットは一体。消化はできない模様。

●中村勇志『六道の悪女たち』/原罪というか、ここまで自己言及しちゃったら今後話どう転がすんだろう。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパー追悼、と思いきや新作公開にあわせて「IT」ネタも。だからガチホラーじゃねえかよ、こいつ登場時は。画面構成でも読ませる作品だからこその、元の“見える”設定のネタ化という。異なるホラー路線のギャグとしての融合という意味でも、きっちりパロディ。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/王虎戦描かれるのは今シリーズ初だよな。百雲は主人公の影という位置付け、とこれ読んだ時は思ってたんだが。

板垣巴留BEASTARS』/裏社会を律する存在にはなりつつあるのか。差し出す野菜はコンビニサラダという描写が、なんともいじましくてよい。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/ディスではしゃぐジジイはかわいくないぞ。

●瀬口忍『囚人リク』/成り上がるには人身掌握が大事ですから。過去の美化、では必ずしもないのだけれど、現ビジュアルとの落差の効果がな。

西修『魔入りました!入間くん』/編集のアオリは熱血展開ノリだが、正直どっちもサイコパスにしか見えん。やっぱ殺し屋1じゃん。敵のザルっぷり、性格=スペックによる突破、と典型的な異世界転生フォーマットではあるのか。

小沢としお『Gメン』/先輩卒業。遠藤憲一モデルだからエ(ン)藤先生、と書いたのももう1年半前か。(そっち?)

●吉野宗助『MASTER&D』/ヒロイン登場するも安定のボケ倒し。

●天山あや『おタエさんは今日もたべたい』/そこは人肉の味知ってんじゃねーか、とツッコまなきゃ不自然では。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/バトル路線っぽい設定出す前に、バトル路線否定宣言(人情路線?)をキャラにさせておいた、ということかな。観測者・作り手の存在。旗印も武将的には人質である、と。

●浦田カズヒロ『JINBA』/露骨にヤケクソ展開だが、本筋自体はこれでいけると思ってたのかと考えると、やっぱりちょっと。

石黒正数木曜日のフルット』/釣り。故事に倣う、わけでもないが、猫2匹の釣りという状況は寓話っぽい。


  • インタビューはわーすたの人。インタビュー中にアイドルやプロレスラーが泣き出す雑誌、チャンピオン。



49号(※11月2日発売号)

平川哲弘『ヒマワリ』/作者的には釣り設定に反応すべきだろうが、プリン盗難ネタはアニマス亜美真美回オマージュ?という点が気になって。似てる二人だし。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/コマの枠ならまだしも、吹き出しに巨乳が乗る表現って珍しい。というか構図的に普通やらんわ。役目なければ飾りもゴミってね。

西修『魔入りました!入間くん』/ファッション変態はたちが悪いぞ。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/こういうワンシチュエーションの舞台可変ネタは本当堂に入ってる。見せ方の技術。前号コメントに「資料用にチェーンソーを買いました」とあったけど、2話分のネタに使うのね。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/血涙。感情と、涙はすでに失われているが、という定型のダブルミーニングか、とこれ読んだ時は思ってたんだが。

桜井のりお『ロロッロ!』/グラップラー刃牙にて勇次郎が首相襲撃を予告した展開は、当時の“リアル”としてはどういう脈絡にあったのか、というね。反射ではない、意志と行動による入力のフレンズ。俺も遺電子信者からこれ以上Twitterでデマ吹聴されないよう気をつけよう。(続く)

●中村勇志『六道の悪女たち』/吐き気をもよおす邪悪とは!

板垣巴留BEASTARS』/すでにシシ組にいるルイがハルの無事を確認してないとも考えにくいし、質問の比重としては「隕石祭の日」に「ウサギは一緒だったか?」が関心事なのよな。「俺の腹くらいの背」と、ジェスチャーと同時に出るこの慣れっぷりがまた。ヒーローの形は一つじゃない、がその生き様はまた別。闇の中でデフォルメ顔の目が白丸なのは、動物の瞳の性質が故で、冒頭の物乞いの目が見えない境遇とも連なる。

荒達哉『ハリガネサービス』/強敵…なのかこれ?

●瀬口忍『囚人リク』/かつて見た光景にすがった果ての、眼前の光景への失望。その上で、未来しか見てない敵役と、それ以外の物も見てきた主人公という対比。元同室組は地獄島のこと知らんのだよね。

●吉野宗助『MASTER&D』/このわけのわからないネタおもしろく読めるのも、ここまでにずらしネタの強ささんざん見せてきたからこその信頼だよな。

小沢としお『Gメン』/童貞を殺す服。ロロッロ前回の「昭和のおっさんセンス」の服から1号ずれたのは幸い。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/ダチになる為のタイマン要請。

●浦田カズヒロ『JINBA』/マキバオーも途中からいろんな構図出てきてたが、見せるタイミング合致しなければ構成には至らないんだよな。





50号(※11月9日発売号)

渡辺航弱虫ペダル』/ドカベン殿馬がピアノネタやった次の号でこっちもピアノ、おしい。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/意識してなかったが、最近の鈴ちゃん回は運動音痴克服シリーズなのか。なんで思い出したかっていうと、跳び箱苦手という内容の今回だけども、前に小鉄の窮地救うため校舎に侵入するべく大ジャンプかましてなかったっけ、というツッコミからだが。アップとロングの切り替えによる展開の巧さ。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/最後にすがる技。ちょっと刃牙の猪狩戦がダブった。

桜井のりお『ロロッロ!』/明るい笑顔ゆえにかわいくない、という絵。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/腐女子読者層のキャラクター化ですね、わかります。しかし、このネーム通すか。(続き)AIの遺電子でもホモMADネタ出てきたしOK、て判断なんだろか。ホモはネタにするがレズで感動ポルノ見せればチャラ、てな作劇とどっちがマシかつっても詮無いが。女の妄想MADは許されるが男の妄想VRは断罪されるという性差カリカチュアにもキツいものあるし、そも生殖にセックスを要しない世界という大前提のもとで、性欲がどう認識されているか、性別・性自認も含めてなぜ存在しているかも意味不明なのだが。あと黒人型ヒューマノイドってちゃんと出てきましたっけ?はっ、遺電子信者にデマ吹聴されるような真似は避けようと書いたばかりなのに!(終わり)

板垣巴留BEASTARS』/本来ならカニバリズムと性欲って話は吸血鬼ネタの作品でやるべきだよねえ。新キャラの草食獣も、やはり角というのは一つイコンとしてあるのか。(『真・異種格闘大戦』最終回を思い浮かべながら。)

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/移動販売ネタというと上野顕太郎の古典的なの浮かぶんだけども、ちゃんと進化(?)してる感ある。

荒達哉『ハリガネサービス』/試合相手から敵意向けられないって前提も、それはそれでどうか。

●瀬口忍『囚人リク』/信じるに値する、慕われるだけの器ではあるのね。誤りと一時の変態性で全人格を否定してはいかん、いかんのだ。

木佐貫卓『クラスメイツ』/読み切り。幻視ネタで対戦相手向かい合う刃牙道の代原が、妄想ネタで男女向かい合うラブコメという。正直この作家については、同人時代のお友達のレビュアー面した持ち上げというかフォローっぷりの方に痛々しさ感じるんですけどね…所詮、他人事だけど。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/匂いフェチの靴下収集悪役ヒロイン、て外見ふくめジャンプとかに載ってたら一部から好評得そうだけど。そして約40年前の週刊マーガレットに、脱いだ下着の匂いフェチ少女登場させてた弓月光の強さよ。

小沢としお『Gメン』/この作者にしてこのヒロイン像、うむ。

●吉野宗助『MASTER&D』/遺骨プレイは最近の凌辱系エロではトレンドというわけでもないですか、そうですか。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/扉絵すげえな。信念の差による戦法の違い、とリクの方の展開ともちょっとダブるか。寓話空間バトルって文法は結構好み。

石黒正数木曜日のフルット』/変身時間の隙というネタは定番ながら、博徒の口上は地平の確認であってまた意味が違うというか。野良ネコ世界だから仕方ない。


  • 刃牙道も休載理由書かれてないのは不穏だなあ。今更、餓狼伝みたいなことにはならないだろうけど。と、この号読んだ時は思ってたんだが。
  • インタビューはバカリズム



51号(※11月16日発売号)

板垣巴留BEASTARS』/恋愛と信仰は違う、俺の恋は祈りだ、と田中ユタカエロマンガみたいなセリフが並ぶね(脳内サンプル不足)。ここでは女性作家が少年マンガとして描いている点がユニークながら。キャラ萌え読者には理解できない脈絡だよな、しかし(真顔)。他者の存在と共にある自覚だからこそ。

桜井のりお『ロロッロ!』/MASTER&Dが死亡ネタやった次の号でこちらも、おしい。セクハラネタ回なのに涙で落とすって、おい。

板垣恵介刃牙道』/正直ケーキの絵があんまり美味しそうに見えない。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/初期のネタの雰囲気だなー、なんか懐かしい。溜めを作るのは今の作風ならではだが。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/なんだかんだでやっぱり流される役回りはいるんだけども、悲壮感出さないのが世代の差なんだろうな。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/マンガ表現における忍者の描写というのも深うございまして。このシュールさも大人漫画のそれに通じると言えるかもしれん、違うかもしれん。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/決着。主人公に近い存在にあたるのは王虎の方だったと。かつてあてられた身として、ということなのだろうとこれ読んだ時はハイ。

●瀬口忍『囚人リク』/ついに脱出、と最後にもう一枚。そこは剣崎がフォローすべきでは。

小沢としお『Gメン』/初見の校舎にカラス舞ってたら、勘違いしてもしかたない。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/虫愛でる敵ヒロイン。モノローグにあるそばかすは化粧で、天パーとおでこはヘアピンで隠してるという造形か。恋愛面でも異種面でもBEASTARSかぶってると言えなくもない。

●吉野宗助『MASTER&D』/ブラコン妹キャラ。ゲシュタルト崩壊みてえな力押しが楽しい。







52号(※11月22日発売)

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/福本伸行、もといハンチョウネタか、珍しい。正直トネガワやハンチョウの路線あまり好きじゃないので、悪どさ前面に出してくるのは好感。うもおぉ‥。

渡辺航弱虫ペダル』/本編とスペアバイクで過去エピソード二段構え、というのが作者的にもフォーマットとしてあるんだろうけど、葦木場については以前の話と性格的に齟齬ない?

桜井のりお『ロロッロ!』/一手先くらい読めるわ、というギャグな。お風呂回だけども発想が奇抜すぎる。

●中村勇志『六道の悪女たち』/安心が欲しい故の暴力、というと吉良吉影っぽいが、前提にあるのが世界への恐怖ってのがなあ。ある意味、これまでの相手と類型ではある。

平川哲弘『ヒマワリ』/ドリフェスじゃない、ドリスタだ。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/ネットのない世界というのも、少年向けとしていつまで通じるものか。

板垣巴留BEASTARS』/テム…。主人公が戦う理由には、常に異種への想いがあるんだよな。自分を発揮する時にこそ。壮絶な抵抗からの、いい脱力感。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/王虎にとっては過去の自分との戦い、という点はなるほど。百雲もさすがにやり直しはできないか。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/シートン先生の本すごくいい話なんだけど…あれ…(普通の)動物記なんだよっ…!ダチョウ料理といえば鉄鍋のジャン終戦。吸血鬼以外と戦う展開続いてるが、まあ大差ないか。

●瀬口忍『囚人リク』/ダイナミック伏兵。ようやく脱出か。

小沢としお『Gメン』/この自転車のハンドルの形状も地域性というか民度というかね。

●伊科田海『GREAT OLD』/講師陣も一枚岩ではないわけだよなあ。互いにどの程度相手を把握してるんだか。

●吉野宗助『MASTER&D』/おばけネタのバリエーション。次回最終回。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/さらっと重い、熱っぽい展開。元に戻った、ということではあるんだが。

恩田チロ『誘惑の鬼姫』/読み切り。ゆくゆくはハーレムじゃないの、これ。

●浦田カズヒロ『JINBA』/最終回。

石黒正数木曜日のフルット』/頼子はたまに闇のぞかせるな…普通にこええよ。


  • はまけん巻末コメント。