週間少年チャンピオン2017年40号~42号

40号(※前々号)

  • 表紙は刃牙。キャッチコピー「挑み続けろ!!!」がマウスピースにあるのが、らしい身体感覚というか。



板垣恵介刃牙道』/2話掲載。生き残ったか。やっぱり烈の方がイレギュラーなのよな、ボクシング編といい。しかしこの戦い通して、花山の背中の侠客立ちがドメスティック精神論≒少年マンガフォークロアから、骨が丈夫!という構造解説になってしまった。(『喧嘩稼業』の影響ってこたないよな?)最凶死刑囚編にて、グローバル要素の領海侵犯から初戦を勝ち抜いた花山が、今回は設定のインフレから握撃も出せずに、なあ。/警察に囲まれつつ、ズタズタの刺青見せての会話は『土竜の唄』のパピヨンがダブる。勝敗論は第2シリーズ以降ずっと語られてるテーマではあるが、相手がファンタジー設定だし。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/ジョージ・ロメロ追悼。楽しそうだけど、オチはバイオレンスギャグと(あくまで)コスプレの対比という二重世界。

板垣恵介・山内雪奈央『バキ外伝 疵面』/読み切り。このノリは「創面」でいいのでは。

渡辺航弱虫ペダル』/あったね、そういう夢。しかし作者も実際インターハイ描き始めてから、こりゃ無理だ、となったんじゃないかしら。

●中村勇志『六道の悪女たち』/自分で指折ってそれで殴るのも刃牙リクオマージュかな、と一瞬思ったが、どっちもすでに相当前だしな。

●浦田カズヒロ『JINBA』/さすがに他の馬に手出しするのは妨害行為では…。後方からならおとがめなし?

荒達哉『ハリガネサービス』/過去エピソードがいつも“キャラ設定”で、スポーツ物という脈絡には全然寄与してない感じなのだけれども、むしろ今時はその方がウケいいのかしらん。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/スイカってタイトルでひたすら種飛ばしネタなのがちょっとおもしろい。

板垣巴留BEASTARS』/わが名はチェリーボーイ(みつどもえキャラソン)。愛情の反対は憎しみではなく無関心ってね。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/①ドアの左側についたドアノブを、②左手で持ち、③外側に開けた際、④ドアの正面に立ってて内部を目撃する。こういうひどい流れをテキトーに描き飛ばす点、私は真面目に大っ嫌いである。ドアの形状が内開きでは、内部が建築構造としておかしいのでは、どういう空間描写だこれ、といった点はネタ優先として措いても、というより作者も読者も放置し続けてきたからこそ、まだこんなもん描いちゃうわけでしょ?

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/受け継ぐ、もとい憑依的なものだろうか。

●天山まや『おタエさんは今日もたべたい』/これ、バトル展開はかみつき合い?

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/普通に魔球ロジックに翻弄される展開も、久しぶりな気がする。

西修『魔入りました!入間くん』/元の絵柄があれなんで、どうも劇画調バカボンの風情に見える。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/新キャラ(虫)は家来。軍団結成みたいな展開になってくのかな。

●西倉新久『HOTEL R.I.P.』/出張読み切り。設定説明に近いか。死という題材に対して、おもしろい距離感。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/過去編。母はケモナー向け。

●掛丸翔『少年ラケット』/最初の因縁にかえり、物語は終幕へ。




41号(※前号)

車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/連載再開。えらく引っ張って出てきた蛇遣座は回復系。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/白衣の内側に武器が見切れるコマで笑ってしまった。

渡辺航弱虫ペダル』/足の筋肉は最後の手段だから呼び覚ましてなかった、とわかるようなわからんような。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/バーサクモードと乙女モード。

板垣恵介刃牙道』/ええ…その幕引きどうよ。マジで花山を出すお膳立てにすぎなかったのか、ここまで。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/過去編終了。前回はきっかけのみに焦点をあわせ、今回は150年の因縁を8ページ内でざっくり描写。場面の選択と構成が巧いよやっぱり。かつては人を怨ませない者が、今は人から好かれる者が側にいる、という報恩。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/開戦、突進三連発。

板垣巴留BEASTARS』/相原コージ『真・異種格闘大戦』の闘犬VSオオカミは名勝負でしたね…違うか。自己管理、矯正の為の品種改良と、その結果生まれた種への自問。でも、それを発する精神は通じ合えるのだよね。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ヴァン・ヘルシング登場。いや、この世界観で出しちゃうのかよ。一発ネタだったら気持ちいいけどなあ。

サイプレス上野、陸井栄史『サウエとラップ~自由形~』/最終回。まあ企画ありきなら、とは思ってたが、最後のラップを作中で読ませず続きは動画で、てそりゃあない。マンガ媒体の否定じゃん。

●古川一・白土悠介『虚ろう君と』/最終回。血が混ざる、で『任侠沈没』連想する頭になっててすまない。

●掛丸翔『少年ラケット』/最終回。それぞれ成長は続いてゆく。丁寧に構成された良作であり、おもしろかった。お疲れ様でした。





42号

平川哲弘『ヒマワリ』/新連載。広島で不良でケンカ、と前作と同じテイストかと思ってたら、理由あってアイドル!?

渡辺航弱虫ペダル』/イメージ像に追いつく、という表現は割とあるけれど、平行して走り続けるのは独特だな。実際に自転車乗ってる作者の身体感覚か。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/美容品シリーズも結構あるな。

●中村勇志『六道の悪女たち』/入れ替わってるー!いや、なんでよ。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/グラップラー刃牙読者なら知っている、力士の小指の強さ。加速の中で見せる、パワー表現としての溜めの怖さな。

板垣巴留BEASTARS』/経験差…。ルイが生き延びるとしたら、とは思ってたけれども、やっぱりその道を行くのか。

荒達哉『ハリガネサービス』/まあ資本がないとできない、というのは近年のスポーツ漫画における「リアル」ではあるけどさあ。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/台風近づいてるタイミングで読んだので、妙にツボ。これもギャグ漫画におけるロングショットではある。

●瀬口忍『囚人リク』/敵も一意専心なればこそ。熱い見開きだが、さて相手の反応は。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/ファンサービス展開とか言い出したら、そも作品自体がな。

西修『魔入りました!入間くん』/このノリで脱力オチとか迎えても、意外性は全然ないからね?

小沢としお『Gメン』/こういう浪花節描かせると堂に入ってますな、うむ。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/まあ七不思議というネタ元自体が出オチみたいなものだから…。

森田将文『出陣!昆虫武将チョウソカベ』/姉キャラ、ただしドライ。ハイテンションキャラが主人公、まったりキャラがヒロインの家へ、と展開的に丸く治まっちゃいるのか。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/父が消え、母が現れ。危機に際して集まってくれるみんなを見て主人公覚醒、と王道ではある。次回最終回。