コミックビーム2016年11月号

  • 表紙絵はイムリ、アオリは「戦う理由が、ここにある。」カッコいいのう。この手前の小物が、これこそが敵の象徴であるというね。

三宅乱丈イムリ』/終盤の展開に思わず変な声出た。この対立はやりきれないよなあ。デュルクの不安が現実のものに、という展開なわけだが、彼の信念の記憶と共にある二人の内、ラルドは既に敗れてしまい、イマクはもはや渦中の当事者であるという。チムリ父の言葉はしみる。あと、チムリがデュルクにしがみつく際のがに股っぷりを見て、BSマンガ夜話ぶっせん』回にて岡田斗司夫の話していた、1巻の男女の会話場面で女が両足を男の腰にまわしてるのを見て、作者が女かもしれないと思った、という指摘を思い出した。
羽生生純『恋と問』/フラグが斜め上すぎるよ。次世代編、という続編もののお約束自体を壊しにくるか。マンガ云々の方は、『青』『アワヤケ』含めてやりきった感あるんだけどなあ。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/私、執筆活動後期の杉浦茂がアートネタをよく入れてたの、“シュール”に自覚的すぎてあまり好きじゃないんだけれども。ウエケンのそれは馬鹿馬鹿しさを手離さないのがいいね。
松田洋子『大人スキップ』/少女の内面、なんだよなぁ。この「生きててよかった」はいいカタルシスである、俗に明るく。
三家本礼『血まみれスケバンチェーンソー』/ここまでの負傷は初めてか。どうすんのよこれ。
山田参助あれよ星屑』/猥写真売り、進駐軍との交渉ときて、しかしこの展開はどう見ても…。
●うすね正俊『砂ぼうず』/巻末コメントにて、師匠・秋本治への言及。この閉所描写はぞわぞわくる。
カネコアツシ『デスコ』/前回の降臨からの、この顔の落差。逆恨みキャラかと思いきや、もて遊ぶ側だったとはなあ。
須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/傾斜から小屋の上の階に入れる、というのはうちの田舎の近所にもあったとよ。野で火を囲んで、野菜メインの酒盛りという地平。光源と影による心理表現は、直接的ながら巧さで絵になっている。
須田剛一竹谷州史『暗闇ダンス』/須田作品は大体畳めてないから!このキャラ出るってことはもう一度タイトルには触れるのかな。次回最終回。
竹本泉『夏に積乱雲まで』/この手の生活設定の可笑しさは読ませる。次回最終回、てもう?
山川直人『小さな喫茶店』/実際、店内でノートパソコン広げる人は何してるんだろう、と考えると夢のある状況なのかも。
朝倉世界一『おれは たーさん』/この作品の疾走する光景はいい、しかも今回はみんなで、と思ってたらなんつうオチだよ。
●山本健太郎『天女さま、すんません!』/カレー、引っぱるねぇ。ここに来て新たな対立軸か。未練もいずれ終わるから、という言葉は重い。
久生十蘭河井克夫『予言』/最終回。夢オチではない、幻想譚である。絵柄が内容にすごくはまっていた。


  • 三好銀の訃報掲載。新たな形で脳をかき回してもらいました。ありがとうございました。お疲れ様でした。





※明日のビーム公式ニコニコ生放送「マンガ実況」前に書きました。ウエケンと呉智英、楽しみ。