週刊少年チャンピオン2016年43号

  • 刃牙シリーズ25周年号ということで、企画色々。

●表紙絵は、連載開始号のそれのセルフアレンジ。いやあ、変わるもんだ。
●アニメ絵ポスターは、動かせる絵にしないといけないものな。
●連載作家陣コラボイラストは、ひとネタ意識してるのが多めで楽しい。キャラのチョイスにも芸風が。
・花山薫→小沢としお、瀬口忍、渡辺義彦藤田勇利亜
範馬刃牙水島新司渡辺航福地カミオ
範馬勇次郎石黒正数、盆ノ木至、中村勇志
ジャック・ハンマー佐藤タカヒロ増田英二板垣巴留
・ビスケット・オリバ→掛丸翔、ニャロメロン、木佐貫
・渋川剛気→荒達哉
愚地独歩芹沢直樹
烈海王→山本アヒル
・本部以蔵→山田胡瓜
・楊海王→浜岡賢次
●年表見ると、阪神・淡路大震災の年に最初の刃牙・勇次郎戦、東日本大震災の年に親子喧嘩始めてるのね、しかもどちらも作中に地震起きて。首相の変遷は笑うというか、仲曽根時代は出す意味違うんだよなあ、まだ。
●ゲスト寄稿は、島本和彦山本英夫は通常営業の強烈インパクトとして、山本崇一朗の気合いにちと驚く。サイバラは迎合モード、うんまあ。
板垣恵介×浜岡賢次の「戦友BIG対談」掲載。チャンピオン作家としてのキャリアは同じになるのか。板垣が浦安の松五郎ネタで大笑いしたのは、北海道出身者の感覚としてムツゴロウは…とかそういう話かしら。あとジャンケンの話題、当時刃牙の感想で、浦安の方が先にやってただろ!と私もツッコんだんだけれども。(ちなみに、エア味噌汁に先がけて浦安ではエア牛丼やってる。)比較で実際の絵出されると、浦安は手の甲向けてて刃牙は手の平向けてるのね、読者側に。これは描く側の意識異なるわ、確かに。

  • 三号連続グラビアなしなのも、今号のゲストに費用回したと言えるか。

板垣恵介刃牙道』/「日の目を見ています」とはうまい物言い。ある意味マンネリも込みでの長期連載化と、それでも走り出すキャラクター性、どちらも込めた作品の初期からの伴走者なのよね、本部は。毒手を斬り落としてみせた男らしいやり口、というより毒の本来の使い方は仕込みだよな、喧嘩稼業みたく。/しかし、このタイミングでキャラ紹介がザコ三人(初のまとめ処理)てのも。
迫稔雄刃牙D区』/トリビュート読み切り。ドリームマッチというより、あくまで嘘喰いワールド。このダーティーさ見てると、やっぱり刃牙はなんだかんだで少年マンガだ。
貴家悠橘賢一刃牙×テラフォーマーズ』/トリビュート読み切り。4ページながら、これはいいパロディコラボ。セリフ一発とはいえ、はだしのゲン三国志・バキってそりゃ笑うよ。どちらの読み切りも、同日発売誌であるヤンジャン作家と。
福地カミオ『猫神じゃらし!』/赤ちゃん猫×女の子か、サービスか。その可愛らしさ見せる為の、読者の視線移動にあわせての構成。(左ページ左上コマでの断ち切り、ページ二段目以降右側のコマでの俯角等。)個人的にはその点を作家性としてかっているので、来週から載る安部・桜井と比較した時どういう感想抱くんだろうなあと、めんどくさい読者だぞ私は。
浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/もちろん刃牙ネタ。カラー扉にまで板崎先生進出。ハンドポケット対面は笑うけど絵になる。本編は宮本で浣腸で地下闘技場で柳オチ、愛にあふれてます。続きは五年後、て浦安トーナメントより長えよ。柳自体十年以上前のキャラだけどさ。
●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ジョンの方に内面出すぎたから、なのかは不明だが、まさかのビーム兵器によるシチュエーションコント。ひさびさのドタバタ感だな、好き。
●中村勇志『六道の悪女たち』/惚れられた女を惚れさせない為に体を張って救う、何を言ってるかわからねーと思うが。
カプコン芹沢直樹バイオハザード 〜ヘヴンリーアイランド〜』/そりゃいずれ退場するとは思ってたけど、再開二話目でって早えな。
板垣巴留BEASTARS』/シカ部長こええ。種族を超えた胆力あってこその地位だな。極限状態、と呼ぶべきものでもないはずだが、世界観の生む緊張を構成が盛り上げる。
●瀬口忍『囚人リク』/マジだったか。そしてこのピュアさで落とすか。改心は描けなかったダーティーキャラへの、少年マンガとしてのはなむけではあろう。
水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/中継聞いてる山田のコマもワーワーのオノマトペで埋まってるのはどうなんだ。心情の落差なのか。
佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/第一部からいる三人の物語の完結に向かうのかな。(川さんは、まあ。)力士人気というのも独特な世界ではあるかも。
増田英二『実は私は』/悲劇そのものではなく、それに相対する人を描きたいんだよね、この作者は。ここであった青春が、友情・努力の敗北が、それでも証としてもう一度「ラブコメ」としての昇華に向かう。その熱量よ、俺が好きな増田英二は。オチの一笑いへの伏線仕込めるのはこなれてるが。校長の性行為アドバイス(?)は親父さんの件での反省から、前校長も現校長も人と人外を学校で共存させるがその目的は真逆、と。
小沢としお『Gメン』/夏休み、海バイト。新ヒロインかな、怪談かな。
●山田胡瓜『AIの遺電子』/才能も業も本質的には大差ないのだろうが、こういう形にあっての天授はね。今のチャンピオンは動物とロボットで戯画化やってるんだよな。
●掛丸翔『少年ラケット』/才能が集い、より高め合う、と強豪の看板の本質である。構図の寄りと内面のシンクロが効果的。
木佐貫卓『マル勇 九ノ島さん』/血まみれブレイバーチェーンソー。飛行機存在するんだ。
●山本アヒル『ネズミと花火』/クレイジーVSサイコ、てどっちのヒロインもやだよ…。
藤田勇利亜『ミドリノユーグレ』/まだ親父の残した希望が!みんな仲間だ!からの、この悪辣ラストページはすげえ。女の強さが面白いんだよなあ、やっぱり。