コミックビーム2016年9月号

  • 『ママゴト』ドラマ放送直前ということで、作者と演出・中田秀夫の対談掲載。これまでに十数本の映像化企画があったものの実現せず、という編集部コメントが重い。

松田洋子『大人スキップ』/新連載。また強烈に重い主人公設定だ。生き直し、にしてもここまでのそれ自体が、すべてがあらかじめ失われているというのは。あ、でも『新黒沢』は、いやまあ年齢差か。
松田洋子『オベント ママゴト』/番外編読み切り。おひさしぶりの英子とタイジと広島弁、かわいい。そうだよな、こっちも今において救われるって話なんだよな。新連載の主人公も頑張れだ。
●伊図透『銃座のウルナ』/エロくない濡れ場は痛い。と、すでに知られているのか、そこでの不信の存在か。
須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/名前がイッパイアッテナ、とはすなわち野良育ちであり。対比される村人達の模様もよいね、集団で生活臭あって縮尺サイズごとの造型デフォルメあって。通じ合いがテーマになるのかな。/「おぶおぶ」というオノマトペ使った作家といえば、私だと他にはいがらしみきお越智善彦を知ってますが、結構いるんですかね?(質問。)
おおひなたごう『目玉焼きの君 いつつぶす?』/コーヒー。砂糖のこだわりか。冒頭で不貞犯した主人公がラストでボコボコに、とスピーディーなカタルシスではある。
●うすね正俊『砂ぼうず』/その名前出るのも何年ぶりだ…。
山田参助あれよ星屑』/姉の顔の、特に瞳とまつ毛のぶれの、こう荒みつつも清廉としてあるしかないような乾いたタッチがね。遺骨に対しての罰と空虚と、でもふれあいなんだよな、ある意味。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/オチ寸前まで気づかなかった俺はまだまだだぜ、というか見開きかよ今回!会話のディティール(前フリ)にも気合い入ってるし。
三宅乱丈イムリ』/すでに戦法に関する伝令は回ってると。そして、ついにこの光景の登場。とはいえ否定的なイムリもいる、というかデュルク自身がそうなのか。チムリ・ニコの再会とそこからの決起も、デュルク側の境遇と対比されているわけで、最後の人物ふくめ。大食いキャラがんばれ(ユーモアの余地)。
山川直人『小さな喫茶店』/ある人生の傍らに。喫茶店の本分、かしら。読み終えてからサブタイトル見返すと、よいね。
羽生生純『恋と問』/再(?)登場。漫画家としても少しは売れたのか。石の方はどこに向かってるんだ。
須田剛一竹谷州史『暗闇ダンス』/存外あっさり決着、須田だし。秘境めぐりにカメオ出演、須田だし。まあでもやっぱり、絵に起こされるがゆえの魅力というのはあるな。このオチの為の前フリ、と考えるとなんだが須田だし、好きだし。
竹本泉『夏に積乱雲まで』/タイトルの真意が、といった感慨はないけれど、煙に巻くのが芸風だけども。
●山本健太郎『天女さま、すんません!』/メッシー君ってやつか(古い)。手作りカレーというこの俗情アイテム感、好き。


  • コマンタレビーマーにて、ほりのぶゆきの挿画が小島功『仙人部落』ネタ。世界最長期間連載マンガですからね。
  • 市橋俊介のコラムですが、すでに義足選手の陸上記録が健常者のそれを追い抜きかけてる所でして…。
  • 編集長コラムは、丸尾末広LINEスタンプ