週刊少年チャンピオン2016年17号

増田英二『実は私は』/巻頭カラー。校長は縮んでるのか、老化?因縁の過去からの仇敵登場…じゃなかった。カラーページでシリアスかと思わせておいて、というブラフ何度かやってますが贅沢なズッコケでいいね。作品内容の幅あってこそ通用するわけだし。
板垣恵介刃牙道』/やっぱり恐竜に例えるか。大きい動物は動作のろい論を恐竜規模で。ラストページの恐竜が武蔵ポーズ、はもうパロディギャグの次元だよなあ。
架神恭介渡辺義彦『放課後ウィザード倶楽部』/このよくあるゲーム設定ですよ感。オンラインRPGやモンハン前提ともいえるか。私はリアルタイム協力プレイの、こういうパーティー編成ゲームやったことないんだよなー。TRPGらしい作品というのも存在したわけだし、ソーシャルカードゲーム(のプレイ感覚)前提みたいな作品も出てきてるんだろうか。
●山田胡瓜『AIの遺電子』/友達多い人間は作家にならないよ(岡田斗司夫)、はともかくタイムリーな設定。現実のAI作成小説も人間の視線にあわせた調整はしているわけで、それはこの作品設定下でも同様。で、その努力を眼前の生身とのコミュニケーションにおいても行うようになったというオチ、不器用ながらも。伝達におけるノイズこそが人間味とするならば。最近はこの絵柄自体も作品内容に寄与しててよい。
浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/限定された場で高低差メインのワンシチュエーション。映像のカット割として作ってあるよな、これは。
●瀬口忍『囚人リク』/ワイヤーのみならず刃物も仕込む。ビジュアル的にワールドヒーローズジャック・ザ・リッパーがダブる。
水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/センターカラーで肩をつかまれる山田。顔似てるネタは、まあ。車体がずっこける世界なのだ。
佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/ぶつかり合いからの膠着状態。双方、顔力の迫力。
●摺澤翔『HERO』/読み切り。抜け忍ロボット。意志を継ぐ、というテーマの見せ方がいい。
細川雅巳『錻力のアーチスト』/安保と頭木のいつもと異なる、しかし通じ合うやりとりの実直さ。ひさびさに言葉の内圧を感じた。
●掛丸翔『少年ラケット』/“練習”試合か。試合中の成長はスポーツ漫画の醍醐味だが、この主人公設定では記憶の回復としても描けるんだよな。それをここでは新たな会得として、熱意と開花と頭脳による1点。
板垣巴留『ビースト コンプレックス』/集中連載最終回。出会いと別れ、そう生きていくしかない身、というのもあわせて人生の一コマ。動物に寓話性を託した作品だけれども、ここで関係性を逆転させる、社会性の強調として出すのね。これまでの三話が都心、今回が郊外、とその舞台の描き分け、世界観も重い。おもしろかった。再登場にも期待。