ハルタ 2015-AUGUST volume 27

  • 表紙、カバー・ストーリーは高江洲弥。少女と巨大タコって、絶対ねらってるよね。

九井諒子ダンジョン飯』/回想と世界観解説。生態系の一環、かつ出稼ぎ場であるダンジョンを施設として作ると。物語としての位置付けではアトリエシリーズに近いかもな。(越智善彦のコミカライズ版の印象強いが。)「無害」や「役に立つ魔物だけ」という思想を捨てた上で、今のサバイバルマルシルがあると。
●宇島葉『世界八番目の不思議』/ホタテの擬人化ならホタテマンでは。蛤女房よりマンガ的に横山まさみちでは。それはさておき、エロスとコミカルさがよい。太眉は親父からの遺伝なのね。なんか毎回血縁関係が主軸に関わってくるな。
森薫乙嫁語り』/絶対夢オチじゃねーか、というコメディ描写から始り、でもパリヤはそれで泣いてしまうという純朴さがあーもー切ない。元気が一番、なのにこの引き!
福島聡『ローカルワンダーランド』/野球選手と鍼灸士。コミカルな二人劇の様相ていしつつ、その内圧は修羅の道。プロフェッショナルとは。仕事語りとオーバーリアクションという意味では『鴨の水かき』にも通じるか。
久慈光久狼の口〜ヴォルフスムント〜』/捨て駒だったとはいえ凄惨の一言。群れとしての死だしなあ。城壁捨てさせたのが成果にはなるのだろうけど。
近藤聡乃『A子さんの恋人』/A君メイン回。ニューヨーク在住の作者としては筆が走るキャラなんだろうか。向かい合う二人、乱れ飛ぶモノローグ、しかし平静な言動、と秀逸な心理戦でもあり。コメディとシリアスのメリハリも構成力でより読ませる。A君落涙時の「ポロ」はオノマトペでなく写植なのね。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/お風呂回だ!でも結局酒だ!主人公たちの身長からすると、竹はサイズと硬度の兼ね合いで利用難しそう。板金技術はどうなってるんでしょうな、この世界。
●山田果苗『本日の四ノ宮家』/やはりロリ義母ものに父親は不要(やめれ)。不穏だなあ。
丸山薫『事件記者トトコ!』/作家とファンで聖地めぐり&内容再演か、この幸せ者め。移動を見せる構成とそこからの表情アップが上手い。前回感想でメガネっ娘に煙草がよい、と書いたが訂正する、酒でほほを染めるとなおよい。引き抜かれるも役立ちオチ。
●高江洲弥『首花は咲きゆく』/日常は動き出すも、同じく別れが迫る。親父さんの描写少ないのは、こうして胸中想像させる効果か。
●冨明仁『ストラヴァガンツァ〜異彩の姫〜』/いきなりだなオイ。またいたぶられるのかしらん。
●浜田咲良『転職坊主』/最終回。都市伝説的に幕。はたの感情はつゆ知らず、システムとしての優秀さは揺らがなかった、その意味ではSF的かもな。「最終職」は再就職にかけてるのか。
●梶谷志乃『想幻の都』/ラブコメだけどブラックユーモアと読めないこともない、このさじ加減がいい。傷付いた身体と無傷の身体の対比も、しっかり世界観に根ざしたおもしろさ。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラーOGS』/何年ぶりの登場(復活)だよ。まあ霧子も元気になりそうでよかった。
●加藤清志『THE TOWN』/えー、1話で救っておいてこの展開は…。ある意味衝撃だけど。
高橋拡那『レイチェル創々』/最終回。誌面的には珍しくきっぱりエロコメだったな。