CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の件

先日、ネット上で見かけた以下の2件。「総本山はCCCである」という点において、その営業理念のあらわれとして一くくりに見るべき案件じゃね、と思えたのでとりあえず並べて貼ってみます。


まとめ主コメント「図書館はゴミ捨て場ではありません。」

http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/858068

(※関連:海老名市図書館とTポイントカード)

http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/858094
  • 電子コミックサイトcomicoが出版事業を始める件

NHN PlayArtは8月7日、同社が提供する無料のコミック&ノベルサービス「comico」で、新たにオリジナルレーベル「comico books」を創設。出版事業に乗り出すことを明らかにした。
comico連載作品の書籍化はこれまで、作品の内容などに合った出版社から刊行されることが多かったが、レーベルを設けることで、交渉などの交通整理を図り、書籍展開を加速させることが目的とみられる。

はてなブックマーク - comicoが出版事業に進出 オリジナルレーベル「comico books」創設 - ITmedia eBook USER

そしてもう1件、あわせて読みたいこちら。

  • CCCによるマンガの売り方

引用元:「フリースタイル」28、「THE BEST MANGA 2015 このマンガを読め!」特集号114p
フリースタイル28 特集:THE BEST MANGA 2015 このマンガを読め!
※企画「マンガ時事放談」中、中野晴行氏がcomico掲載作品のプロモーション手法を解説。

今年、その縦スクロール(の読み方をする電子コミックサイト:引用者注)から出た『ReLIFE』(夜宵草、泰文堂)という本が、初版の10万部がすぐに売り切れたといって話題になりました。ただ、これにはマーケティング上の仕掛けがあるんですよ。あれはCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブTSUTAYAなど)が出資している出版社が作って主にTSUTAYAで売っているんですよ。しかも、CCCは『ReLIFE』を掲載していたインターネットの「comico」にも出資をしている。だからCCC内で「十万作って売れましたよ」っていうのがニュースになれば、そのあとみんなが飛びついてくるという仕掛けです。これはとてもいいマーケティングだと私は思います。ラーメン屋を開店するときに人を並ばせるのとおなじやり方ですよ。

これに対して同席する呉智英氏は「だけど、ラーメン屋だって、初めはいいとしても、やっぱり「まずいね」ってなると、一年後にはそこは閉店になるからね。果たしてそのマーケティングがうまくいくか楽しみだね(笑)」と返しているのですが、初手から“まずいラーメン屋でも失敗させない”為のマーケティング手法なわけです、これは。(『ReLIFE』がつまらない作品だと言っているわけではありません、念の為。)



いずれ「CCCが経営に関わる図書館に、CCCが掲載発表・出版した作品が一定数卸され、その発行部数自体がCCCのプロモーションに利用される」「図書館がCCCの処分する単行本の受け入れ先に利用される」といったハイブリッドな地獄が出現しないことを願うばかりですね。
以上。