「アイドルマスターシンデレラガールズ」第11話(前半)

ああおもしろかった、デレマス11話。脚本担当は土屋理敬。「アイドルマスター」でも同氏脚本回が特に好きだった私にとって、今回はもう御褒美のような内容でした、というのが当感想記事の主眼。


  • 第11話「Can you hear my voice from the heart?」

●ジュピターだ!(番組開始前CM。)
●夏の陽光、セミの声。社内スタジオで撮影中のニュージェネレーションズ3人。その脇で「時代はネコ耳を求めてるニャ」「はあ?求められてるのはロックでしょ」「ネコ耳!」「ロック!」の言い合い、顔は映さず。あの二人ですね。ネコ耳を押しつけ合う二人の両腕。
●困り顔で見つめるニュージェネ3人。「またもめてる…」「あの二人にユニット組ませるって、絶対無理があるよね」と、つまりそういう状況と過程。ネコ耳を押しつけ合うみくと李衣菜。オープニングへ。
●プロデューサー部屋、「ユニットデビュー?」と不満げにハモって口とがらすみくと李衣菜。間を置き「はい」とうなずくプロデューサー。「私達二人で?」と李衣菜に聞かれ、また「はい」と返すプロデューサー、明らかに言い渡す体の口調。しかし、合わないと思う、との言葉には「そうでしょうか?」と心底不思議そうに返す。
●「ロックなんてお断りニャー!」(揺れるビルの外観)と叫ぶみく。ロックだな。うぐぐ、となって「こっちだってネコ耳なんてお断りだし!」と返す李衣菜。ホワイトボードには、8話でみくの持ち込んだ肉球マグネットがずれて並んでいるが、片方がさらにずり落ちる。「フン!」とハモってそっぽを向き合う二人。お似合いだな。
●このシーンのみく李衣菜見て、いおまこみたい!と私は思った。で、以前にもそう書いたな、と検索してみたら、8話にて私物持ち込みに反対したみくが、自らに同調した李衣菜に「珍しく気が合うニャ」とニヤついた場面に反応して「ハッ、これはいおまこライン?」と書いてたのだった。
●で、8話のその場面にはプロデューサーも同席してたわけです。他のシンデレラプロジェクトメンバー全員が持ち込みに賛同する中、みくと李衣菜だけはポリシー(たとえカッコつけ、であっても意義は変わらない)から反対してみせた。二人だけが浮く、もとい同志となる瞬間は過去にちゃんとあったわけです、プロデューサーの目の前で。
●とまれ、ここではプロデューサーは首元に手をやり「曲もすでにできているのですが…」と困り気味。流される曲に、ムッツリ顔で目を閉じ聞いていたみくと李衣菜の顔がほころぶ。そして冒頭の場面へ。
●街頭にて、ミントキャンディをプロモーションしている二人。みくは可愛らしい言葉で推し、李衣菜はカッコよい言葉で推す、並べてのこの落差がよい。移動する電車内でもめる二人。「かわいさ!」「クール!」
●写真撮影。「仲良し二人組、みたいな感じで衣装を選んで」と説明され、更衣室から出てきたネコなみく、ロックな李衣菜。文句言い立てるみく、あきれ気味の李衣菜、傍らで「CAT」ロゴで「ロック」状態のポットが蒸気を吹き出す、ておい。撮影中は笑顔ながら、終了すると真顔で向き合う二人。
●事務所内、みくと李衣菜の話をする他メンバー。前回のアナスタシアに続き、今回は美波がCDにサイン中。なぜあの二人を組ませたのか、という話題に「Pくんに聞いてみようよ!」「私も行くー!」とはしゃぐ莉嘉とみりあ。ずいぶん好かれるようになったじゃないか、7話からすると。
●パソコン入力中のプロデューサー。一旦首元に手をやり、みく・李衣菜のユニット名欄に「*」と入力、と隣で「アイドルフェス!?」とPC画面見て叫ぶ莉嘉とみりあ。無表情に「まだ企画段階です」「あまり大騒ぎしないでください」と告げるプロデューサー、別室にて喜ぶメンバー達。ですよね、かわいい。
●そこへ不満顔で入室してくるみくと李衣菜。一瞬映る、ちょいズレの肉球マグネット。二人も話題に喜ぶも、方向性の違いから互いの顔見合わせて、ぷいっ。しかし、フェスはユニット単位の参加だからうまくいかないと二人は出れないんじゃ、と凛が発言、二人の顔がこわばる。
●ここで莉嘉が画面外で「えー、みんなで出ないのー?」と残念そうに叫んでます。その前段ではみりあが「みんなで出れるの?」と、かな子が「みんなで一緒のステージに立てるなんて」と、喜んでます。デレマスにおいては割と、アニマス的な“みんなと、いっしょに!”感は希薄だった気もするのですが、フェス展開に向けちょっとその仲間意識もしのばせてきた印象、ちゃんとキャラの性格に合わせたセリフで。アニマス24話「夢」担当の土屋理敬脚本です。
●表情こわばらせたみく李衣菜ですが、顔引きしめ、見つめ合ってうなずく。BGMに合わせ流れる二人の活動模様。ここまでに出たのと同じ活動を、今度は微妙に距離縮めてやっている描写。それでもオーディションに落ちて、ぷいっとしたり。更衣室前で肉球グッズと首輪を押しつけ合う、この譲歩しつつ譲らない(?)さじ加減。最終的に電車内で並んでため息。頑張っているのに、なのです。
●プロデューサー部屋。ソロでデビューさせてほしい!と頼むみくと李衣菜に、沈黙するプロデューサー。しかし「そもそもなんで組ませようと思ったの?」「余ってる二人だから、適当にくっつけようってこと?」との言葉には、血相を変えてやおら椅子から立ち上がり「そんなことはありません。相性のよいユニットだと思います」と真剣な顔で告げる。
●ここは私、好きな場面です。同じく土屋脚本のアニマス7話やよい回での、伊織から、プロデューサーは律子、あんたは関係ない、と言われたプロデューサーが「そんなことないさ!同じ765プロの仲間だし、みんなの力になりたいと思ってる」と告げる場面に通じる誠実さが見える。プロデューサーとして真剣にアイドルのことを考えている、と訴えている。そういう気持ちの現し方が好きなのです、私は。なお、アニマスPのその姿勢を導いたのは6話(これは土屋脚本回ではないですが)中の春香のセリフになります。この点については、後述します。
●さてアニデレです。プロデューサーの真剣な言葉にぽかんとするみくと李衣菜、しかしすぐ手を振って「ないない」と否定。肩を落とすプロデューサー。低い静かな声になり「どうしても無理ということでしたら仕方ありませんが(嬉しそうなみくりな)、その場合、どちらかお一人はCDデビューが後回しに…(顔がひきつるみくりな)」。
●後ろ向いてひそひそ話、もう一度やってみる、と取り繕うみくりな、息ぴったりだなコントだな。「だったら一緒に住んじゃえば?」と斜め上の助言する莉嘉、扉から顔出し同意する卯月・かな子・きらり、「いいアイディアかもしれません」と納得するプロデューサー、愕然とするみくりな、とリズミカルだなコントだな。土屋理敬アニマス亜美真美回も担当しております。
346プロダクション女子寮看板。(早い。)大荷物の李衣菜を迎えるみく。猫の置物だらけの部屋に「へぇ、意外とロックかも」と感心した風の李衣菜。ヘッドホンいっぱい持ってくる李衣菜にとっては、まず物量として見えるのがロックなのかもしれない。売り言葉に買い言葉ぽく聞こえる「自分だってネコ耳いっぱい持ってるでしょ?」も、李衣菜からすれば共感の言葉なのかもしれない。
●とまれ、みくの部屋の壁にポスターをあてる李衣菜、画鋲をブシュ。「〜〜〜っ、画鋲でポスター貼るニャー!」というみくの叫びにあわせ寮外観から星空へスクロール、て3話エンディングかよ。李衣菜の「え、何がダメなの?」発言でCMへ。