- 付録は『あの日からのマンガ』クリアファイル。『あの日からの憂鬱』とはまた別物な内容な気もするが。
●やまじえびね『レッド・シンブル』/新連載。冒頭カラーから痛い怖い。アオリによれば「ダーク・サスペンス巨篇」だそうですが。避けられなかった痛み、みたいなモチーフだろか。
●おおひなたごう『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/バウムクーヘン。はがし食いはわかる、が、味を求めての行動って発想はなかった…。ところで、食卓の他人の食べ残しを勝手に食べてケンカになる、みたいなことは実際に起こるんだろうか。
●須藤真澄『庭先塩梅』/生き霊みたいなものか、動くし。いざ他人の目に触れたらこれだけコミカルにとられて、て話よね、扉絵ふくめ。
●新井英樹『SCATTER-あなたがここにいてほしい-』/セックス含め言葉も行動もどんどん機械的になるこの描写リズム、ディティールは見せつつ。その割り切りの原点には、という熱い展開だがしかし。
●カネコアツシ『デスコ』/そうか、快楽(娯楽?)殺人者同士のバトルであるな。悪対悪。
●折口信夫・近藤ようこ『死者の書』/神を見た少女、と言われるとはぐちゃんを連想する頭になっちゃってて申し訳ない。
●山川直人『小さな喫茶店』/刺激的なタイトルで矮小な人間で、でもそれが日常。昔話にも近いテイストの“世界”だわな。
●松田洋子『私を連れて逃げて、お願い。』/ハッピーエンドとは、想像する未来にしかなく。現状精一杯のそれを見ても。
●三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/生き残った者達の日常。これは重い展開だなあ。
●山田参助『あれよ星屑』/孤独の形。
●唐沢なをき『まんが家総進撃』/アシスタント不足。原稿デジタル化はやはり大きいのか。家族がアシスタント、という例は聞いたりもしますが親はどうだろう。オチは笑った。
●三宅乱丈『イムリ』/解読。これはちゃんと読み直さないとだめだな。衝撃の引きで次号休載、つらい。
●河井克夫・安永知澄『アムステルダム』/読み切り。名画パロディ。
●三好銀『シルエットの時間』/読み切り。落語マンガ好きの方にはどうなんでしょう。虚像、付随する物語。
●市川ラク『白い街の夜たち』/食とは別に幻想の魅力があるんですわな。そこに感応する内面。
●上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/名曲パロディ。
●朝倉世界一『春山町サーバンツ』/愛の告白、て絵面すげえな。積もる雪は1コマなのね。
●羽生生純『ジュウマン』/ひっでぇなあ、もう。それが俗情抱えた生身の哀しさ、人間らしさではあろうが、まさに「トホホ」。
●古泉智浩『悪魔を憐れむ唄』/この地平でのロックであり青春であり。そこに喜びがあったのだ。
●鈴木みそ『ナナのリテラシー』/最終回。出版と自主規制、とタイムリーな話題。件のウェブサイトにおける連載中断も、出版以外の企業・団体が参入したが故の事態じゃないですかねぇ。言霊というのはなるほど、そして動き動かすのは人であり。売れ行きの悪さによる打ち切りと明言されてますが、とまれ、お疲れさまでした。
●カリブsomg・田辺剛『ポンヌフ橋の放浪芸人』/シリーズ読み切り。これも神を見た身の話か。
- なんだか女性向けの作品が増えてる、という印象なんだが、アンケート送ってちゃんと雑誌買ってくれる層という意味では、確かにそこが狙い目かもしれないんだよな。