※アニメ「アイドルマスター」見て全話感想書いた身としましては、デレアニについても“最終回まで見てからの2周目が本番”となるだろう気配を、2話目まで見てすでに感じておりますが。とりあえず、今作では放送中から所感をば。
※原作ゲームについては一時期までやっていました。木場さんと珠美ちゃんとレイナンジョウ出ますかね？
- 第1話「Who is in the pumpkin carriage?」
●時計の文字盤。11時59分に。
●346プロメジャーアイドル、ライブ準備中。
●街角の時計。3時57分。
●ライブスタッフの卯月、花を届けに来た凛、目的不明ながら走って来た未央。三人がぶつかり、卯月の落とした箱から出てきたガラスの靴を拾うプロデューサー。ナレーションはシンデレラプロジェクトメンバー。
●12時になる時計の文字盤。「お願い！シンデレラ」。曲に乗せてカットが挟まれる、メジャーアイドル＆プロジェクトメンバー双方の面々、その落差。映像演出すげえ。
●映るテロップとナレーションの内容は、アイドルを“夢”“魔法”に例えたもの。つまりシンデレラ、なのですが、魔法が解ける12時から始まるメジャーアイドルのライブ、対して、まだ何物でもないプロジェクトメンバーのいる街角の時計は高速回転で12時に近づく、と。
●桜咲く町並み。壁の11時51分すぎで停止したかけ時計に「調整中」の貼り紙。
●冒頭ライブの舞台裏、アイドル達の並ぶ写真を笑顔で見つめる卯月。レッスン中。トレーナーいわく「この間のシンデレラオーディション、惜しかったじゃない」。
●同期の子がどんどんやめていった、という話題。「よし！私、もっと頑張りまーーす！」
●プロデューサー登場。こええよ。卯月に差し出す名刺。壁の時計から「調整中」の貼り紙が落ちる。
●プロデューサーと卯月。シンデレラオーディションに欠員補充という形で合格＝アイドルデビュー。「島村卯月、頑張ります！」
●母に電話しながら帰宅中の卯月。街角の看板やポスターに、小梅、765プロ、川島さん。
●うきうき気分で見かけた花屋に立ち寄る卯月、店番中の凛。花の描き分けも大変そう…。時計は5時50分。
●時計は6時2分。「期待」「希望」という花言葉のアネモネを買い、笑顔で立ち去る卯月。「私、頑張ります！」見送る凛、ここで初めて映る横顔は無表情。
●プロデューサーと卯月。書類によると346プロ創設は2年前。カレンダーは4月。シンデレラプロジェクトメンバーながらも、再選考合格者として三人揃うまでは待機を言い渡される卯月。「引き続き、養成所でのレッスンをお願いします。」戸惑いはしたものの、目を閉じ、笑顔になる卯月。「わかりました！島村卯月、頑張ります！」
●プロデューサーはここまで一貫して無表情。しかし卯月の「どうして、私なんでしょうか…？」という問いかけに、ようやく「と、言いますと？」とやや眉を寄せ、若干声に感情がこもる。理由を「笑顔です」と告げるプロデューサーの声に抑揚はないが、眉は微妙に上がり気味。無表情なりの懸命さの表象か。「笑顔だけは自信があります！」と喜ぶ卯月。
●しゃがんで泣く男の子、かたわらにけわしい顔で立つ凛、寄ってくる警官。
●ミリオンライブのCMだ！
●もめる凛と警官。そこへ通りかかり、割って入るプロデューサー。移動と共に無表情な顔を若干険しくしながら。
●場面は交番へ。婦警貴音ポスター。誤解は解けますが、ここで初めてプロデューサーが首元に手をやる。
●交番を離れ、「私こういう者ですが、アイドルに興味はありませんか」と名刺を差し出すプロデューサー。巻き込んですまない、と申し訳なさそうだった凛は「ない」と険しい顔に。目的を疑われたプロデューサーも、若干険しい顔。立ち去る凛。時計は4時7分。
●346プロ案内を開き、アイドルの写真を見ているレッスンルームの卯月、と入室してくるプロデューサー。登校中のつれない凛、と待ち構えるも無視されるプロデューサー。また卯月。卯月の「レッスンですね！頑張ります！」が2回。
●一貫して無表情なプロデューサーですが、凛に資料を差し出す際は気合い入った顔→無視されて遠い目→アイドル写真のページ→卯月から笑顔向けられ、厳しい顔が素の無表情に、という見せ方のくり返し。2回目の卯月とのやりとりで、首に手をやるプロデューサー。
●学校机の上の、白紙の入部届けの上でたゆたうシャーペン持った凛の腕。不審者の話題を告げる友人。
●プロデューサーと凛、に割って入る警官。あわてて名刺を受け取る凛、流れで二人で喫茶店へ。選考理由を「笑顔です」と告げるプロデューサーに不審げな凛。「は？私、あんたの前で笑ったことあったっけ？」「いえ、今はまだ」。沈黙。
●立ち去る凛にあわてて(！)声をかけるプロデューサー、立ち上がろうとして机に体ぶつける大柄さ。中腰で「今、あなたは楽しいですか？」と凛を見上げながら問いかける無表情は、これまでの見下ろしでのそれとは異なる効果。
●凛の視界(環境)、はつらつと部活する学生たち、街並み。それにかぶさる、悲しげな曲とプロデューサーとの会話。「あなたは今、夢中になれる何かを、心を動かされる何かを、持っているんだろうかと。気になったものですから。」「…あんたには関係ない。」あと、ジュピターだ876プロだ新幹少女だ！
●レッスン室、プロデューサーと卯月。ここでプロデューサーが初めて、卯月のアピールにうなずき「いい感じですね」とほめる。続けてずっこけさせてしまうわけですが、立ち上がり「わかりました！私、レッスン頑張ります！」と告げる卯月。
●ここで、これまで笑顔でそのセリフを言ってきた、そしてここでもまた笑顔であろう卯月を後頭部から、それに向かい合うプロデューサーの顔を正面から見せてくる構図が、描写として上手い。プロデューサーが何かに気づいたように画面右に視線をやり、卯月から視線をそらして首元に手をやろう、として止める。
●映り込む、開かれた346プロ案内書のアイドル写真のページ。やや間があり、笑顔の卯月にプロデューサーは「申し訳ありません。レッスンばかりでお待たせしていて…」と頭を下げる。あわてる卯月。
●先のプロデューサーの視線の先には、この案内、アイドルの写真があったわけです。卯月は何度もこれを見て「頑張ります！」と言い続けて来たこと、いまだ自分はそこへと卯月を進ませてやれないことを、再認識したわけです。とすれば、これまでの2回の同じ状況、卯月の笑顔に対して彼にしてはやや過剰に反応していたのも、罪悪感が故かもしれません。
●フォローする卯月に対して、首元に手をやるプロデューサー。その手を戻して「今、一人は交渉中です」と現状報告。卯月の同行申し入れに、きょとんとまばたきくり返すプロデューサー。
●犬の散歩に出かけるところの凛と、卯月の再会。プロデューサーはきょとん。
●桜の咲いた公園で、会話を始める卯月と凛。同士のアイドルとしてぐいぐい来る卯月に、「あたし、アイドルなんてそもそもなる気ないし…」と告げる凛。テンション下がった二人は、離れて(本当に遠くに)座っているプロデューサーについて会話。ここは凛への対応を、プロデューサーが卯月に任せたのだろうか。子供と親から謝られの首元に手をやるプロデューサーの遠景。
●選ばれた理由を「笑顔」しか言われてない、というのもプロデューサー的には思惑あると思うんだけども。とまれ、卯月にとって「プロデューサーさんは、私の長年の夢を叶えてくれる人かもしれない」。卯月の夢はアイドルになること。看板に上田しゃん。
●卯月いわく「スクールに入って、同じ研究生の子とレッスンを受けながら、私ずっと待ってました。アイドルに、キラキラした何かになれる日がきっと私にも来るんだって。そうだったらいいな、とずっと思っていて。そうしたら、プロデューサーさんが声をかけてくれたんです。」この長台詞に重なる映像は、頭上に満開の桜以外の花たち。そんな花も咲いている。
●「私はきっと、これから夢を叶えられるんだなって。それが嬉しくて！」と笑顔を見せる卯月に、はっとなり瞳を揺らす凛。いわばキラキラを、それに向かう者の輝きを見たのかと。
●魅了された凛は、犬のリードを手離してしまう。走っていった犬・ハナコは立っていたプロデューサーになつく(？)。リードを凛に渡すプロデューサー、それを「あ、ありがとう…」と受け取った後、伏し目がちに宙を見る凛。
●ここでまた、先ほどの卯月との対面とは左右逆に、凛の後頭部とプロデューサーの正面からの表情描写。凛の顔を口元開けて一瞥し、一瞬目をそらしたプロデューサーはおずおずと話しかけ、二人は向き合う。「少しでも、君が夢中になれる何かを探しているのなら、一度、踏み込んでみませんか。」
●逆方向からの構図、これまでと異なり、真摯な顔でプロデューサーの言葉を聞いている凛。「そこにはきっと、今までと、別の世界が広がっています。」たどたどしく終えられたプロデューサーの言葉に、卯月の笑顔を見た時同様、目を見開き、瞳をゆらす凛。
●場面は凛の部屋へ。時計は11時34分。明かりの消えた部屋で、ベッドに横たわる凛。机の上のアネモネを見て、浮かぶ桜の公園に立つ笑顔の卯月と遠くのプロデューサー。襟元をつかむ凛の右手。
●喫茶店のテーブル、波立つコーヒーと水。笑顔で立ち上がる卯月と、目をやや見開いた(！)プロデューサー。「渋谷凛、15歳。よろしくお願いします」。「よろしく、お願いします」と告げるプロデューサーは相変わらず、通常営業の無表情。
●時計がカチッと動いて11時35分。シンデレラオーディション再選考会場。本田未央登場。
●高橋龍也脚本×高雄統子絵コンテの凄みでござった。
※ちなみに三重テレビの放送だと、毎週次回タイトルカットに続けてあかひげ薬局のCM入るみたい。早漏！勃起力不全！精力減退！
