アニメ「ハピネスチャージプリキュア!」30話

  • 8月31日放送。

●前話でアクシアから変貌したシャイニングメイクドレッサー、からの導入。きらきら目で見つめるめぐみとひめ。ドレッサーにはプリキュア強化の加護がある、とリボン。100万倍、はいかないんだ、そこは。幻影帝国におけるプリキュア力100万分の1効果には、さらなる対策があるのかな。ゆうこといおなが見守る中、顔芸枠のめぐみとひめ。
●さらに「秘密のパワーが隠されていて、すげえ奇跡を起こせるって言われてる」とぐらさん、かなりあいまい。めぐみのテスト100点妄想、ゆうこのご飯食べ放題妄想、て米俵と釜かよ。「というわけで、全部まとめてお願いしま〜す」と目をつぶり手を合わせる一同。ドレッサーは無反応、そりゃそうだ。
●「ドレッサーはそう簡単には応えてくれないよ」と声をかけるブルー。めずらしく無表情、静かな声。「プリキュアの強いイノセントな思いになら」応える、とのこと。首をかしげるめぐみの胸に手をあて、もう片手を自分の胸にあてて「イノセントっていうのは、心からの気持ちってことよ」とひめの翻訳ひさしぶり。
●場面変わって、木の上に立ち「ブルー・・・」とつぶやくファントム。前回のクイーンの命令どおり。
ミルキィローズ。妖精から人間体に、ということでファントムの変態(姿形が変わること)にかけてかな。青いバラ
●オープニングがちょっと変わる。キュアフォーチュンの変身、四人決めポーズ、ドレッサー必殺技への差し換え。
●ドレスに「変装完了!」するいおな。ひめいわく「しばらくはオシャレな鏡として使うしかないか〜」というわけで、お化粧ごっこ。いおな、つき合いいいな!
●「300年前、僕とミラージュはドレッサーの力を借りて大きな敵と戦ったんだ」と語り出すブルー。回想場面、背景は星空、砂地らしき地平線に見えるのは地球、ってことはおそらく月?あらわれる黒い巨大な人型の、顔に光る赤い紋様はまんまディープミラー。そして、キュアミラージュ登場!ミラージュが「帰れ!」と叫んで攻撃してるということは、地球外生命体?バトル描写はカッコいい。ブルーとミラージュがドレッサーをかざして、出てきた光に苦しむディープミラー(たぶん)、というところで回想シーンはホワイトアウト。ひめのフルネームに「キュア」って入ってるってことは昔からプリキュアが存在したわけで、それってミラージュなんじゃね?という私の予想は当たったけれども、なぜブルースカイ王国にアクシアがあったか、そもそもミラージュはなぜ闇落ちしたか(おそらくブルーも正確には知らない)、と細部はまだまだ謎か。「う〜ん、いろいろ複雑だな〜」(ひめ)。
●「少し風にあたって来るよ」と、鼻より上は画面外の絵で告げたブルーは、鏡移動によりぴかり神社へ。続いて「待って待って!」と鏡から出てきて、よろけてブルーにしがみついてあわてて離れて赤面パニクり、と一通りテンプレしためぐみは心配げに「ブルーこそ、大丈夫?」
●「今の彼女はクイーンミラージュ。世界に不幸をまき散らすほど僕を憎んでいる。もし彼女に会えたとしても、僕の言葉は届くのだろうか・・・」と遠くを見つめてブルー。「きっと届くよ!」とめぐみ。「あぁ、いや、きっとかどうかはわからないけど・・・(笑顔で)でも、好き同士だったんだから!話くらいは聞いてくれるんじゃないかな」とめぐみ。いい子だ。「会いに行こうよ、クイーンミラージュに!」「ああ、そうだね」と笑顔のブルー。めぐみパワーのまっすぐさは人に勇気を与える。
●「愚かな男だ・・・」というつぶやき、二人めがけて飛んでくる光線。現れたファントムいわく「お前はあの方の怒りをわかっていない。ブルー!ミラージュ様の命に従いお前を倒す!」「ミラージュが僕を倒せと言ったのか?」「そうだ、ミラージュ様はすでにお前のことなどなんとも思っていない。」このやりとりですが、まあ大局的にはブルーもミラージュも互いにちょっかい出しあって、相手そのものには踏み込まない小競り合い続けてきたようなものですからね、これまでは。
●「ブルーは私が守る!」とめぐみはキュアラブリーに変身、戦闘へ。ここもバトル描写がカッコいい。ラブリービームもパワーアップ!ゼロ距離からのラブリーパンチングパンチ!「力をつけたな」「みんなを守るためにね!」
●赤黒いオーラを全身から出しながらファントムいわく「これが、ミラージュ様からいただいた新たな力!」でも実質さずけたのディープミラーだよね、色合いとしても。ラブリーの影を切り取って「俺は幻影を操る戦士。おまえ自身の影をまとい、お前を討つ」と珍しくニヤリ。黒いかたまりを身にまとい、現れたのはめぐみそっくりの似姿。鏡だからね。
●アンラブリーさん、笑顔が怖い。攻撃しながら、めぐみの来歴を語るアンラブリー。「小さい頃から、病気がちなお母さんを助けるために頑張って!お手伝いをする内に、ありがとうって言われるのが嬉しくなってきて!(顔を近づけて)嬉しくなってきて・・・どんどん人助けをするようになったんだよね?」「それの・・・何がダメなのーっ!」と発奮するめぐみ。そんな彼女にたやすく近づいて抱きすくめ、耳元でささやくアンラブリー。「わからないの?じゃあ教えてあげる。めぐみは本当は、誰の役にも立てない弱い子だからだよ」「そんなこと・・・」「ドジで、勉強も苦手で、将来の夢もまるで決まってなくて、プリキュアになった今だって、私みたいな悪者にもまったく歯が立たない」「あっ・・・」と涙目になったところを、ぶっ飛ばされるめぐみ。問われる主人公性、というシーン。こうして“客観的に”語られると、ダメ“属性”だらけなのです、確かに。そういうキャラクターにしていることの、テーマが問われる。
●またバトル描写が迫力あるだけに怖いんだ。これはプリキュアらしい「語り」とも言える。ちなみにアンラブリーの格闘スタイルですが、個人的にはこれ、当て身や発剄に近い動きにジョンス・リー(エアマスターハチワンダイバー)を連想します。アンラブリー、ジョンス・リー、響きも近い。
●涙目で倒れているめぐみに、「めぐみの愛なんかじゃ、誰の幸せも満たせるわけないよ」と近づくアンラブリー。高笑いする彼女。そこへ「プリンセス急降下ダーイブ!」と叫びながら飛び蹴りしてくるひめ!しかしアンラブリーはそれを片手で受け止め、「うわっ、ちょとっとっ」とあせるひめを放り投げる。続くいおなの「フォーチュンスターバースト!」も受け止め、いったん距離をおくアンラブリー。「ラブリーに似てる?」と首をかしげるひめに「この闇のオーラはファントムだ!」と叫ぶぐらさん。怒りで飛び出すいおなに「援護するわ!」と叫ぶゆうこ、同時攻撃をしかけるもやはりアンラブリーは余裕の受け止め。爆風。倒れる二人にまたも高笑いのアンラブリー。「見てなさい。これからめぐみが守りたかったもの、全部こわしてあげる」と飛び去るアンラブリー。
●「大丈夫?ラブリー」と不安げにめぐみに声をかけるひめ。「どうしよう・・・」と起き上がりながらめぐみ。「え?」「さっきから力が出ないの。(宙に手を伸ばして)やっぱりダメなんだね、私。(瞳をゆらして)アンラブリーの言うとおり、大したこともできないくせに、(涙目で)何も考えずつっ走って!私弱いから誰も助けられないし、誰も守れないよ!」目をとじ、歯をくいしばり、両手を握りしめて震えるめぐみに、「ラブリー・・・」と手を重ねるひめ。
●そのめぐみの手が、グイッとつねられます。「いったたたたた!」とデフォルメ泣き顔でじたばたするめぐみに、デフォルメむっつり顔のひめ。「なーに言ってるのー!弱音なんてラブリーらしくないよ!」「え?」ぽかんとするめぐみ。「そうだね」とゆうこ。「え?どういうこと・・・」と変わらずぽかんなめぐみに、「ラブリーはどんな時でもあきらめないで、誰かの為に頑張ればいいのよ」といおな。「でも・・・それでみんなに迷惑かけて・・・」と声を震わせるめぐみの両腕をむんずとつかむひめ。「ラブリーはそれでいいんだよ!迷惑なんて思ってないんだから!」眉をつり上げて叫びます。「私達は頑張っているラブリーに、いつも引っぱってもらっているんだよ」と笑顔で手をさし出すゆうこ。「さあ、手を出しなさい」とイケメン笑顔で同じく手をさし出すいおな。同じくひめも、笑顔で両手をさし出します。笑いながら、両手でみなの手をとるめぐみ。
●これは素直に、いいシーンだなあ、としみじみしました。ダメ属性主人公だけど「気持ち」を持っていて、それこそが主人公たる資格となりえるおはなし。ここまで歩んできた彼女たちの光景、その説得力。見ていて私、最初はひめが飛んできた時に、あ、いおながファントムに追いつめられた時のカタルシスがまた!と身構えたんです。アンラブリーをみんなの力で退けるぞ!と思ったのです。でも違った。みんなで一度敗北するんです、前ファントム戦と異なり。そこでめぐみはファントムの言うことが“真”なんだ、と自分のことを悔やむのだけど、でも他の三人がそうじゃない、と否定する。それでもめぐみは正しい、と力強く肯定してくれて、四人でもう一度アンラブリーに挑戦する。この構成がすごくいいと思います。
●再びラブリーVSアンラブリー、一対一の激突。「調子にのって!」「調子にのるよ!だって友達が、みんなが信じてくれるんだから!」熱い!めぐみの拳も炎まとって燃えてて直接的表現きわまりなくて、だがそれがいい。「大好きな人たちのために戦うキュアラブリーは・・・キュアラブリーは無敵なんだからーー!」オープニング歌詞!燃える!爆煙がはれると、変身がとけているファントム。
●「さすがー!」と叫ぶひめ、一緒に飛んでくるゆうこといおな。「プリンセス、ハニー、フォーチュン。みんなのおかげだよ」とめぐみ。その手をとって「それは、お互いさまでしょ」といおな。いおな、ひめと手をつなぎながら「私たち足りないところは、いつも助け合ってきたものね」とゆうこ。「なかよしだもんね!」とめぐみにほおをくっつけてひめ。「うん!ありがとう!」とめぐみ。みんな笑顔。そうしてオープニングとは逆順に手のつながれていった、四人の輪の中に現れる光。「みんなのイノセントな思いが輝いているんですわ!」とリボン。「今ならいけるんだぜ!」とぐらさん。
●「おのれ・・・プリキュアーー!」と叫ぶファントム。「いくよ、みんな!」「うん!!!」そして始まる新必殺技映像!これちゃんと、というかなんというか、物語たる一場面の光景たりえてるのがおもしろい。鏡置いて変わりばんこに顔映して化粧して、と四人のコミュニケーションになってるんだよな、音楽の楽しさふくめ。「愛と!」「勇気と!」「優しさ!」「幸運を込めて!」「みんなにとどけ!幸せの大爆発!プリキュア・ハピネスビックバーーン!!!!」巨大化するハート型のエネルギー体に飲み込まれるファントム。
●空の曇りが晴れ、町に降る光、てCLANNADかよ。陶酔のほほ笑みを浮かべる四人に、「みんなを幸せにするすげえ技だぜ!」とぐらさん。それはすごい。「私、幸せすぎて気持ちが大爆発しちゃうよー!」と三人を抱き寄せるめぐみ。「みんな、だーい好き!」四人の笑顔。ハッピーエンドでホワイトアウト
●と、場面変わって倒れているファントム。「ミラージュ・・・様・・・」といううめき声、しみ入るセミの声。ブラックアウトで、続く。
●田中仁もわりと重要な回の脚本担当してますね。
●次回予告、ファントムとゆうこの近づく気配に、えええ、となったもんです。鑑賞後の今やいい思い出。「おなかがいっぱいになったら、敵とか憎しみとかどうでもよくなるよね」というゆうこの予告音声も結構すごいな。