ハルタ 2014-AUGUST volume 17

入江亜季乱と灰色の世界』/最終章突入。主人公覚醒、というかマナーをわきまえたというか。魔法のファンシー具合は変わらんしなあ。町じゅうを泣かせた後は喜ばせると。
九井諒子ダンジョン飯』/扉絵背景がマップ図なのがよい。正体は殻と軟体生物、と魔術よりは現実的、もといディテール解説が見せ場。未知の食材はいろんな調理法試さないとな。キノコっぽい味ってことは粘菌に近いのかしらん。
大武政夫ヒナまつり』/新キャラ登場、そのまま無人島生活、ておい。役に立つ超能力描写の衝撃。個人的にはこの作品、孤独の哀愁で笑わせにくる場面はことごとくツボ。
●原鮎美『でこぼこガーリッシュ』/四コマからストーリー漫画に。同居編か。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/一軒家でなくアパートだったか。虫とも会話可能と。絶景の場に酒置いておくってのは粋だぁね。
久慈光久狼の口〜ヴォルフスムント〜』/戦って死ぬか、粛正か。時代がそうだからと言えばそれまでだが、酷だわな。
●嵐田佐和子『鋼鉄騎士シュヴァリオン』/悪役がいなくて危機がなければ、ヒーローが「守る」こともないのだけれど。一人で戦い続ける者、の姿ではある。
●菊池まりこ『カプチーノ』/四コマ回。描かれるのはそれぞれの学校生活、日常。幸せな二人の幸せな恋愛、いいじゃないか。
森薫『シャーリー・メディスン』/シリーズ読み切り。ベネットさんにも大人としての女としての人生が。あとドジっ娘としての過去が!巻末コメントの、ライフワーク宣言ともとれる内容に嘆息。
佐野菜見坂本ですが?』/いや本当、公立校の文化祭の展示ってこのレベルよね、ファンタジーでなく。綿菓子機で拷問ってビジュアルは新しい。戦が始まる。
●梶谷志乃『想幻の都』/設定的には恋すること自体が救いであり、すがれるものであり。しかしそれ以上に、これは男女の機微なんだ、という所まできて「幸福」感じられるのよね。読ませるなあ。
●川田大智『まかろにスイッチ』/読み切り。アイディア勝負のショート群は、誌面的には珍しいか。伸びしろ感じさせる。
●長蔵ヒロコ『ルドルフ・ターキー』/宿敵登場。二面性ある敵役って初だっけ。
笠井スイジゼル・アラン』/エリックは遠いな…。お嬢様の瞳の描写も、直球ながらよい。
白浜鴎『エニデヴィ』/舞台には魔物が住む。しかし契約書詐欺とは地道でもあるな。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラーOGS』/扉絵でリッツ生存報告(4コマ)。キャラ集合回(顔出しただけ)。
●高田築『補助隊モズクス』/また一人散るか。そういう生き方しかできない、という人物像に見せる作劇してきてるからなぁ、誰しも。
丸山薫『事件記者トトコ!』/一応スクープは取り続けてるんだよな。追跡に入ってからの構図とコマ構成が見事。エバカワイイネー。
●渡邉紗代『少年の名は』/最終回。無駄ではなかった、という返礼の光景はベタながらよいものです。次回は番外編。
宮田紘次『犬神姫にくちづけ』/休日編。犬神側にも心あるのな。
●空木哲生『鴨の水かき』/明るくコミカルに、しかし語る内容はシビア。この愛情ある話法が作品の見所でして。
近藤聡乃『A子さんの恋人』/観察者は語る。この敵意と激情は新基軸ですな。5年前に出たゲームソフトにある「SNS」の単語解説では、日本では招待制のSNS一つがほぼ独占状態、みたいなこと書かれてるのよね…。


  • 画材についてのイラストコラム掲載。嵐田佐和子・夏本満・空木哲生・樫木祐人中村哲也・設楽清人、とおまけで九井諒子の編集道具絵。/また菊池まりこによる、フィンランドでの森薫サイン会レポ漫画掲載。/みんな味あるよ、よいよ!
  • 次号より高江洲弥新連載。きましたか。/また中村哲也山本ルンルンの読み切り掲載。後者はちょっとびっくり。