越智善彦『ドロイどん』81〜85

(『ドロイどん』81話より)
スズメとドロイどん。まず、この目で「プッ」と笑ってみせる動物、という絵をひさしく見てませんけど。
で、そこにドロイどんが「そお〜〜‥」と手をのばします。「ぽふっ」。手がとどかない。「ぽふ ぽふ ぽふ」。何度やってもとどかない。ほほ笑ましい。
これを、スズメのアップ→ややカメラ引いて、ドロイどんの動作にフォーカス→全体像を横から→全体像俯瞰で、という流れで見せてきます。スズメの出し続ける吹き出し、その中の音符はコマごとに変化している。ドロイどんに関わりなく、スズメが泰然としてる中、時間は経過。



(『ドロイどん』82話より)
ランドセル型飛行アイテムを着ける黒ドロイド達。この場面も構図変えつつ、描き文字・オノマトペをどう配置するか、というセンスが見えて好きです。



(『ドロイどん』83話より)
はい、これは構図が変わらずにオノマトペが語る場面。「ぷかああ……」と水面に浮かび、「ガション!!」と変形し、「ヴヴヴヴヴヴ……」と震え出す。オノマトペという絵の描き分けです。



(『ドロイどん』84話より)
学校の遠景→教室内の主人公・漫符つき→アイテム・オノマトペつき。学校の教室でひなたが作っていた七夕の笹飾り、です。



(『ドロイどん』85話より)
で、続く話が大きい笹を生やしたドロイどん、です。キャラよりも笹の方が大きい。デフォルメ絵によるサイレント漫画1ページ連載、という形式にあった、実験的構成とも言えます。
「ガサッ」と大きく笹をふり、「わい わい‥」とモブキャラが笹に群がり、「わさっ」と笹が傾く。鋭いカタカナの「ガサッ」とゴシックひらがなの「わさっ」の違い。また、視線の進行方向にそって“振る”か、逆方向に“傾く”か、という差異も。



越智善彦『ドロイどん』、来週27日単行本発売!もうすぐ!なんかとらのあな池袋のツイッターアカウントでは、昨日出たとか言ってたんですけど!早えな東京!