越智善彦『ドロイどん』51〜55

(『ドロイどん』51話より)
「びゅうううん」と風の吹きすさぶ鳥居、から下に目をやると石段の両縁をかけ上がる2体のドロイド。
「ビュンッ」という描き文字・オノマトペとともにロングからアップへ、枠線なしのカットイン。



(『ドロイどん』52話より)
複数の状況が起こっている一コマ。俯瞰のロングショットで、違う時間の流れをいっしょに描ける、そのテンポを作れる、というのがよいのです。



(『ドロイどん』53話より)
遠くで「ぼん」からの「バッビューン」でアップ。



(『ドロイどん』54話より)
はい、これは主人公・ひなたちゃんと一行が追いつめられる場面。
一コマ目、遠景。こういう建物や石垣の描き込みが私は好きなんですけど、この石垣に空いた発射口にキャラクターともつかない、でも漫符を飛ばしている物体の姿が見えます。
で、二コマ目でアップになるとキャラクターなわけです。ちょっと進んでいます、というか追われています。「わさわさわさ」と。この左上にも石垣出てますけど、前のコマと同じ模様見えることで、同じ場所示す指標にもなりますね。
三コマ目、1ページの最上段における左端のコマです。さらにアップでアングル180度回転して地面は斜め、でその結果、上から下に動く視線の中に、追う側→追われる側の順でキャラが入ってきます、「わさわさわさ」。追いつめられる緊迫感あります。
追う側の黒ドロイドは、コマ外に体半分はみ出て、オノマトペとともにコマの大半をしめる“大きさ”で、追われる側、コマ下部のひなたちゃんは全身像が入る“小ささ”。



(『ドロイどん』55話より)
オノマトペの叫び。



アップもロングもいいマンガ絵をしている。越智善彦『ドロイどん』、来週27日単行本発売!