『リバースエッジ 大川端探偵社』&『おかめ日和』における女装

昨日のブログでアニマス律子回好きな方あたりには感じ入るものがあるのでは」と予告めかして書いたドラマ、「リバースエッジ 大川端探偵社「FILE.04 アイドル・桃ノ木マリン」」が放送されました。
はい。オチは“女装”でした。
THE IDOLM@STER DREAM SYMPHONY 02 秋月涼
いやあ、予告映像の“笑顔の二人”から期待してた通り、よかったよ。美少女アイドルがおっさんになっても幻影を見られる、かつてのそれを見せられる、馬鹿なんだけど泣かせる愛の有りよう。
それを、美しかった、なんて公的にゃ言えないよ。でも、もの狂いに憑かれ熱に浮かされたことある生身ならわかるだろ、このハゲ親父二人の姿の愛おしさが。その“夢”を抜き出した時に、私の中でそれはアニメ・アイドルマスター18話「たくさんの、いっぱい」に並ぶわけですよ。等しく輝くわけですよ、腹の中で。よかったよ。
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リバースエッジ大川端探偵社 3巻 (ニチブンコミックス)
さて、原作となる、作・ひじかた憂峰、画・たなか亜希夫のマンガ版の方では、ドラマ版ほどの甘い結末は待っておりません。桃ノ木マリンが歌う姿をお披露目したら、そのまま物語は終わります。現代にあっての異界を見せる、匂わせる、というのが主眼のような作品ですので。
で、原作での桃ノ木マリンの姿はこうです。

たなか亜希夫の画力の高さはすばらしいものですが、この“女装した男”の絵も、知らずに見るのとそう理解してから見るのとでは微妙に印象が異なる。顔や体の骨格の張り具合が絶妙なんです。

昨日貼ったコマにしても、手がゴツいんです、あらためて見ると。映画界には、顔はメイクでごまかせても手はごまかせない、という言葉があるそうです。たなか亜希夫の描く女装は、顔は女でも手はちゃんと男である。



おかめ日和(11) (KCデラックス BE LOVE)
で、そういう上手さ、人物造形が描ける、私の好きなマンガ家がもう一人います。入江喜和です。

左のキャラがおネエの人。美人だけど手がゴツい、そして外出時にはのど元を隠す。

この絵だとよりはっきり、乙女心と男の肉体の落差が出ている。で、この絵では化粧をしているわけですが。

ノーメイクだとこうなる。髪のまとめ方以外は男です。この描き分け具合がおもしろい。

さらに化粧中の、男から女になる最中の姿。この絵にはちょっと驚いた。のどぼとけの存在感。



まあ昨夜テレビを見終えて、そんな風に好きなマンガの絵のことをつらつら考えたわけです。うまいよなあ、いい絵だよなあ。