越智善彦『ドロイどん』21〜25話

(『ドロイどん』21話より)
ドロイどんの頭部、前面上部の目が「キラリンッ」と光る様を、眼光の絵と背景の集中線と体面に貼ったスクリーントーンによる影で表現し、仰角で描き、
ドロイどんの頭部が「ガパッ」と開く様は俯瞰から、コマの枠線なくして描くことで解放感を出し、描き文字(オノマトペ)にはスクリーントーン貼り影はカケアミで描き、
さらに続くドロイどんの内部から「にょきっ」と何か出てくる様は、アングル180゜変えてドロイどんの背後から描き、あまねちゃんの反応する様をこそ正面からコマ左側にて描き、手前となるドロイどんの背中の影はベタ塗りで表現し。



(『ドロイどん』22話より)
建造物に「ズボッ」と筆字でオノマトペ立てて入り込み、「ゴトンッ ガシャッ」「ゴン ガンッ」と角ばったオノマトペ杉浦茂的なうずを巻きいた砂煙の漫符立てて、内部の状況は見えないけど暴れている様描いたり。



(『ドロイどん』23話より)
お尻を向けて「ぺん ぺん」とたたかれたことに対し、キャラの白目と背景スクリーントーンの一部欠け落ちで、心理状態と間が表現されたり。



(『ドロイどん』24話より)
追う二人のコマ(表現のシンプルさに、絵を理解した上で視線は流れる)、
探す二人のコマ(右のコマからキャラ追ってきた視線は左下で一旦とどまり、ばらけたモブキャラの配置と背景の石畳による絵の密度により滞空する)、
探し相手を発見するコマ(服装のディティールまで描かれた大きめのキャラが手前(コマの両端)に、視界(コマの中)から上下にはみ出す形でぼやけ表現するスクリーントーン貼られて配置され、「ピッ」というオノマトペと矢印が出現して視界(コマ)の中心にいる(出現した)ちっこいデフォルメキャラを指し示す)、が並んだり。



(『ドロイどん』25話より)
まだ追っている姿を、俯瞰で正面からポーズ描いて表現したり、
まだ探している様子を、コマの枠線のない“空間”で「キョロキョロ…」というオノマトペと首振る動作と人の顔の絵の吹き出し描いて表現したり、
そんな二人の前に「わさわさわさ…」と街中の人混みがあらわれたり。



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