先月読んだ諸々

どうも体系立ててアウトプットしようとしても上手くいかなかったので雑文的に。


誰も懲りない レッド(8)<完> (KCデラックス イブニング) ひまわり!! それからのだいすき!!(5) (BE LOVE KC)
同日に食い合わせたのだけど、私の中ではこの三冊、わりと近い位置づけ。
中村珍『誰も懲りない』については、衝撃作である、というのは聞いていた。実際、ハードな作品である。作者の半生として読ませる、壮絶な家族間の不和描写。家庭内暴力、強姦、浮気、介護、虚言、死別。そこに“活写”される憎悪の渦には鬼気迫るものがある。そこにマンガ表現としての価値を認めつつ、しかし「物語」としてはどこに至るか、というのが“フィクション”享受者としての私には関心事である。
この暴力と感情の描写の「リアル」さ、おそらくノンフィクションとしての側面も多大なそれらの物語としての「結末」はつまり、人と人はわかりあえない、ということである。その事実が、血を吐くような叫びでつづられた作品だ。よい作品だった。
で、そのテーマを角度を変えて見たら、連合赤軍を題材にリンチ殺人の連鎖が始まった『レッド』にも、知的障害のある母を持つ女性の人生を描いた『ひまわり!!』にもなるんだよ、と思ったのです。なる、というか、そういう“リアル”を物語として読む作品だと私は位置づけておる、ということ。
印象は異なってもね。むしろ、異なるからこそよい。
ハチワンダイバー 32 (ヤングジャンプコミックス)
でまあ同日に読んだもう一冊、『ハチワンダイバー』32巻の絵空事ぶりたるや、荒唐無稽をひたすら腕力で通してみせる熱量たるや、なんなんだもう飛びまくってやがんなあ、凛かわいい。
日本のマンガが誇るべきは多様性!以上。


  • 瞼の母』、『エグゾスカル零』6

劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母 (イブニングKC) エクゾスカル零(6) (チャンピオンREDコミックス)
ベテラン作家の語るおはなしの堂々たる様。いいわあ、どちらも。
小林まことの「劇画・長谷川伸シリーズ」はこれで完結とのこと。すばらしい仕事でした。カッコいいぜ泣けるぜ、時代劇。「定番」の凄みを見よ。
『エグゾスカル零』の描く地獄の世界。大見得を切り、重苦しい体躯を振り動かして、因縁劇と同士討ちをくり返す“ヒーロー”達。彼らはこの現代と戦い、抗っている、そういう絵巻物だと私は読んでおります。
以上。


  • 『うぶうぶふうふ』

うぶうぶふうふ (アクションコミックス(コミックハイ!))
かがみふみをは重い気分の時読んじゃダメだ!このもどかしいちゃラブは、楽しい時に摂取しないと猛毒なんだ!このノリとタッチでセックスレスの夫婦が再び「なかよし」できるまでを描くとかああもうあーもー!以上!