月刊コミックビーム2013年7月号

鈴木みそ『ナナのリテラシー』/新連載。電子書籍とマンガ家再生プロジェクトが話の軸になりそうだが、まずは歯に衣着せぬ現在の出版業界(電子書籍ふくむ)の危機的状況解説、ひええ。『限界集落温泉』のKindle版が一位獲得ってのも“個人業”単位だから、て側面はあると思いますが、さて。/実際、鈴木みそ永田泰大ファミ通からいなくなった、というのはまんま“雑誌”という媒体の内実の変化だと思いますけどね。余談。
●うすね正俊『砂ぼうず』/ハッタリも戦略、度胸も能力のうち。
おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/つけ麺注文したことないんですが、鼻水出ないってのはいいな。なぜだか重いシメに。
桜玉吉『路上にて』『春場所』/読み切り二本。日記漫画ではあるが、つげ義春的…と言ったらつげファン怒るかもしれんが。奥村編集総長による一見なげやりな柱文も、これでいいのだ。
三宅乱丈イムリ』/そうか。この設定がある以上、“守る”者はこれほどのものを背負うのか。/まだデュガロが善良キャラとして描かれていたあの頃、あの場面につながるんですね。それは必ずしもブラフではなかったわけで、それでもなお、その瞳が一瞬見せる闇のどす黒さよ。
志村貴子放浪息子』/くそっ、前回だまされた。(にやにや。)「箱男」は箱は見られても、常に箱の中から見ている側、なんですけどね。心のままのぞめる場におさまりそう、といった所で次回最終回。
竹本泉『シンリャクモノデ』/いきなりぶっそうね今回。ワンテーマによる短編連作、になるのかなあ。
須藤真澄『庭先塩梅』/この設定でこのビジュアルは落差ずりいよ。過ぎ去る電車に頭下げる君たちはいい子だ、だからいい話だ。
三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/おねーさんに任せな、てお前中学生だろう。あねさん、と呼ぼう。
●山下ユタカ『ラチェット・シティ』/バイク漫画と思いきや、警察・ヤクザとの因縁も話に絡むか。濃くなりそうで楽しみ。
唐沢なをき『まんが極道』/『SCATTER』のあいつらのことですか、はさておき、まあ創作で発散できるならいいんじゃないですかね。実際はマゾ目線も持たないと描くの難しい気はしますが。(なに言ってんの。)
●ワカナヤスヒロ『りんごの唄』/読み切り。ぶれない異物。そこに意味を見出だすかは個人次第で、ここでは救いか。
朝倉世界一『春山町サーバンツ』/おじいさんの友情。最後の手書き新聞、いいですね。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/これがいわゆるマンガにおける映画的表現技法、ちがうわ。浦安鉄筋家族アゴなしゲンといい、連載マンガで追悼企画なんてやれるのはやっぱり短編ギャグになるのかなあ。もちろん愛情と技術あってこそですが。
●左藤真通『みるせん』/読み切り。いろんな愛し方がある、というのはすばらしいことなんですよ。なんか妹萌えの比重大きい気もするが、“それもまた”魅力てか。柱に『鉄ヲタ少女』広告あるのがいいですね。
金平守人『ロロの旅』/設定にダメ出しされてオチといういつもの、と思いきや、これでビーム巻末登場は最後って、え、マジ?