湯浅ヒトシ『空拳乙女』1巻

空拳乙女(1) (アクションコミックス)

空拳乙女(1) (アクションコミックス)

耳かきお蝶 1 (アクションコミックス) けずり武士(1) (アクションコミックス)
『耳かきお蝶』、『けずり武士』、くわえてコミックビーム掲載読み切り『剣姫』、と時代劇マンガ家の印象が強かった湯浅ヒトシ。
新連載が現代劇で女子高生の空手マンガ、と聞いた時は正直「え?」と思いましたが、変わらず気持ちいい快作でした。







女子高生の友情・頑張りが楽しい。(百合?)





空手描写もなかなか本格的といってよいかと。




個人的にグッときたシーン。伝統として研鑽されてきた武道に見る人の力。
この辺は時代劇を描いてきた作者の根底の思想ともとれますし、ある種『ツマヌダ格闘街』の礼の思想とも地続きではないかと。




これも時代劇ネタ、というか萌え属性といいますか。かわいい、と僕は思いました!




このコマ運びとか、やっぱり構成力あります。どういう女の子だよ!いいですね、コミカルで。




正座と太ましい太もも。個人的に好きな絵と造形なのです、やはり。




そしてこれが、この作者描くところの“美少女絵”です。この黒髪と黒い瞳を、鼻筋と指をあなたは見よ。パジャマのしわを頭に巻かれたタオルを、枕とベッドを湯上がりに自室で寝ころび黙考する少女の姿を、あなたは見よ。これが作者が“時代劇”で培ったそれである、いいね!



と、非常に楽しい作品であります。この絵で描かれる物語としての王道的道行き、てのがいいんです。
続きを楽しみに待ちたいと思います。よかったよ。