アニメ「琴浦さん」最終回まで見終えて

すばらしかった。



おはなし、ですよ。寓話の世界。そのレベルでこそ描けるシリアスとコメディ、熱と笑い、大切ななにものか。90年代につの丸が『みどりのマキバオー』が、あのジャングル大帝馬と人間が会話できる世界観にて真正面から瞼の母あしたのジョーやりおおせてみせたようなもんだ。「おはなし」文脈の再生産。麻枝准エロゲーでやったのだってそういうことだよ。
悲しみを情と熱意で、愛すべき美しき馬鹿の力でもって乗りこえてみせる、それを肯定してくれるこの世界の温かさ、優しさ。うん、私は好きだ。「琴浦さん」というおはなし、私はとても好きだ。
スタッフが子供コミュニティ「みつどもえ」、女子中学生ライフ「ゆるゆり」を経て、この作品を手がけてきたという点もおもしろいですね。アニメとしての演出それ自体は、ある種古典的なのかもしれませんが、でもだからこそ、それを真面目に真正面からやられた時映えるんですよ。余計なもんはいらねぇ、一つこのおはなしの立ち姿と底力、生のままとくと味わっておくんなせえ、で、それで十分響くんだわ。それがおはなしの力を信じるってことだと思うんだわ。
ちゃんと吹き出したし、うるっと来たし、笑顔で見終えることができましたよ。ありがとうございました。
あと最終回でひさしぶりの真鍋君のエロ妄想がニッチすぎてよかった。よかったよ!