越智善彦『ドロイどん』70

週刊アスキー No.923(2013 4/2-9合併号)53ページ


  • おなじみ四段構成ですが、今回は三段目について話します。

  • 三段目前半(?)の2コマです。これ状況は、ひなたちゃんとドロイどんが黒ロボから逃げている、そのさ中、という状態です。
  • 前回フォークにタコさんウィンナー刺してましたけど、それ落としちゃったんですね。一つ前のコマで「ポロッ」とやってます。今回入れてませんが。
  • アクション自体も、一段目二段目はキャラの頭身小さくして全身入れる形で、ドタバタ描写をわりと激しくやってます。そこからの三段目です。
  • で、この図の光景。漫符の汗とか飛ばして逃げてたひなたちゃんがここで白目で口あんぐりです。停止してます。で、このタコさんウィンナーが地面に落ちる音ですよ。「ポテ・・・」と尾を引いてます、スローモーションなんです。あと、ここまで続けて読んでいると、小さいキャラのドタバタから大きいキャラの停止、という絵の落差でも、表現としての時間の引き伸ばしを読むことができます。
  • 三段目右端のコマですから、視線は右上から入ってきてひなたちゃんを見て、彼女の視線同様左下に向かい、ウィンナーとこの曲線描いた地面ですね。そこの「ポテ・・・」までを注視します。このタコさんのアップぶり、手前に位置してるが故の大きさと、トーン貼って影だかピントぼけだかの効果出してんのが好きです。背景にあいかわらず桜舞ってるんだよな(笑)。
  • さて、それを黒ロボに「プチ・・・」とつぶされて、このタコさんの目がこちら向いてんのがいいんですけど。で、三段目後半(?)になります。

  • ひなたちゃん号泣!この顔がさらにアップになって、背景がタテ線びっしりというので視線が止まりますね。で、コマとコマの間の柱とひなたちゃんから出てる吹き出しが一体化する形で、タコさんウィンナーが描かれています。
  • そのタコさんウィンナーの絵を受ける形で、ドロイどんが怒り血管漫符の吹き出しと共に「パカッ」と攻撃体制に入る。その下のコマで集中線バックに向かってくる黒ロボです。
  • この三者(?)が皆さっきよりアップになり、コマに動線が加わってます。動き出してるんですね、さっきの二コマから。その表現です。またこのコマ構成で三者の顔を、正面、左向き、右向きと並べる、その順に読ませるというのがまた混戦(?)模様の表現です。コマまたぐタコさんウィンナーは動機と瞬間の共有ですね。
  • で、四段目に入るとまたロングショットで話としての抜けに入ります、あげませんが。今回はアングルと構図がめまぐるしく動く、実に楽しい回でした。