「BE・LOVE」2013年4号より、入江喜和『おかめ日和』ほか

BE・LOVE」最新号掲載『おかめ日和』より、幸福という感情をどう描写するかの巻。





  • 左側ページ最下段コマでこの笑顔(のみ)です。
  • で、ページをめくりますと。

  • ファンタジー!というか、文字通り“浮く”わけです、人ごみから、現在の周囲の環境から私的な感情が。オノマトペ「ぽわわ〜〜ん」「ぱたぱた」ですからね、しかもちっちゃく主人公によりそうように描かれて。彼女のみの描き文字です。いい幸福感、という表象。
  • で、下のコマでここで涙があふれます。またこれがかすれるような線で、光につつまれるような絵です。髪も黒ベタからトーン。よく見ると黒目にもトーン。これで1ページ使って次のページに。

  • 左側ページ右上コマですね。現実に戻った、というか町の人ごみの中で泣いてます、でも口元がはっきり笑顔なの!そこが見える絵。ちょっぴり前ページの幻想(?)表現たる光の輪、トーン表現が残ってますね。いやあ、いいシーンだ。
  • で、少しページが進むと、この幸福を近しい人とわけあう、共有します。

  • 伝わり、喜ぶ相手を見てのリアクション。

  • 共有という(この山場の)エンドマーク。この場面は13巻ラスト、あの作品中最大級山場の「成就」場面の再演でもあります、ポーズ的に。でもあの時と違い、今では満ち足りたような幸福が二人を包んでおるのじゃよ。そんな二人になれたのじゃよ。



他にも「BE・LOVE」今号には印象的な場面がいろいろありました。




愛本みずほ『ひまわり!!』にストレートにうるっと来て、三谷幸喜のドラマ『わが家の歴史』重ねたり。




末次由紀ちはやふる』の三段ネタに吹いて、三谷幸喜の舞台『笑の大学』思い出したり。(「くどさで笑えるのは、三回が限度だ」。)



とはいえ、今号で一番衝撃受けたのは、やはり庄司陽子からのメッセージページ「読者の皆様にお詫び」。



お医者さん達はまず「辞めないの?」と言いました。
冗談じゃない!!

指に異常が見つかり、医者から執筆停止を勧められるも断固拒否。「手術を決め賭けに出」ます。

針は一年以内に抜きますが、ボルトは一生なので親指はもうまがりません

その覚悟がすごいよ、マンガに賭ける熱意が。
ヤンマガに載った村田ひろゆきの「休載のおわび」という実質闘病告白もすごいもんでしたが、こちらもね。

描けたときの喜びときたら!!