越智善彦『ドロイどん』63

週刊アスキー No.916(2013 2/12号)53ページ
あー、今回はぜひ実物に目を通していただきたい。デフォルメキャラでコマごとに構図とっかえひっかえのおもしろさ、というものを一度味わっていただきたい。




  • 今回も一ページにコマ四段構成なのですが、8コマ目、三段目と四段目の右端に位置するコマが縦に段を突っ切る、という構成がなされています。


  • 断面図!エレベーターで下っていくわけですが、右に3つ細かい部屋が見えるわけです。
  • で、縦長コマから左に、上の三段目に視線移すと9〜10コマ目がこのようになっております。


  • 9コマ目。8コマ目の右側中段に見切れてたロボ、真横からの絵がアングル変わりまして俯瞰になります。おじさん(じゃないことが前回明らかになりましたが、便宜上)の絵も真上からのアングル、でロボがいきなり大きな絵になってますね、コマ外まではみ出て。この落差で見せてきます。/これ絵的に、おじさんがコマの“上”から入ってくるというのもおもしろいんです。さっきのエレベーターの絵、縦長のコマで視線下に向かった、その直後ですから。視線動かす方向としては、つながってるわけです。
  • で10コマ目、11コマ目。巨大なロボ頭部と割れゆく天井、それらとおじさんの対比というコマですが、ここでもまたいちいちカメラアングルががらっと変わります。8コマ目から連続して何度も。そこが絵的に楽しいんです、作者も描いていて楽しいんです、きっと。よく「たのしんどい」という物言いを作者は使われるんですが。見せたい状況とその中にキャラがいる絵を、コマの連続した「マンガ」として見せてくる。
  • で、四段目に行きます。


  • 「ボゴッ」とな。いい筆書体ですね。ここでまた断面図的真横からのアングル。これハプニング的山場ですよ。そこをあえてこの迫力とは逆のなんだ、引いた視線の構図?落ち着いたデフォルメで見せるんですよね。うまい作品だなあ、としみじみと。
  • で、お馴染みタイトル絵の主人公ひなたちゃんとドロイドくんなんですが。

  • 見よ、この無表情!今回の内容では完全に蚊帳の外、たる表象!