別冊少年チャンピオン2012年12月号

●ハジメ・とうじたつや『少年Y』/新連載。逆黒沢な冒頭。憂鬱な日常とパニックホラー。
板垣恵介・浦秀光・山内雪奈生『バキ外伝 創面』/ヤクザにコマシ能力は重要。『大悪司』参照。(えー)
米原秀行『サンセットローズ』/敵親分のいさぎよく退く、というプライドがよいなあ。船の変形は無茶苦茶なギミックだが、カッコいいよなあ。なんかしみじみとしびれちゃう。
佐藤健太郎魔法少女・オブ・ジ・エンド』/人に寄生してるなら攻撃も会話も可能、と。文字通り主人公メインとかそういう設定ですかね。
桜井のりおみつどもえ』/センターカラー2本立て。扉裏の人物相関図は力作ですな(編集の仕事ですけど)。/一本目、これもうゲラゲラ笑った。松岡さん回の針ふっ切れぶりは見事ですね。それと同時に、このクラスみんなイベントにつき合ってくれる感のほほえましさな。SSS隊までもが!いつの間にかできてた、この地金。作品世界の地平として重要な“進化”だ。あとヒキのアオリひでえ。/二本目。ニセモノ芸の妙な味わい。ここはむしろ、丑三つ時を知ってるふたばに驚くわよ。
もりしげサクラサクラ』/エタセクスアリス!連載半年かけて、いいデレさんになってくれました。敷島さんについてはいまだ謎か。
高橋ヒロシ武藤将吾・水島力也・平川哲弘『クローズZERO? 鈴蘭×鳳仙』/三十六計逃げるにしかず。
●吉木まさかず『ハダカノタイヨウ』/新キャラは天才肌か。デッサン力が絶対ってことはないだろうけど、だったらそれ上回るだけの熱意が必要って話だよね。
●ニシカワ醇『しこたま』/原田宗典が学生時代にカバンを薄くするため湯船で煮たところ、風呂場と一家全員が皮臭くなってしまったという話を思い出した。
阿部共実『ブラックギャラクシー6』/聞こえるな、小学生女子の声が。いいセリフ回しだ。
●米林昇輝『12月のゼファー』/最終回。ぶつ切れ感がなんとも残念。当初のごちゃっとした絵面の方がずっと好きだったんで、リベンジ期待したいところ。お疲れさまでした。
●萩織章仁・山田こたろ『スイソウ学のジジョウ』/読み切り後編。望みの心象風景を形にして味あわせるってこと?今いちつかめず。
●金井大起『Master Bean!』/読み切り。すがすがしい程にげすい下ネタ。存在感はこれまで以上にある。
●宮崎克・吉本浩二ブラック・ジャック創作秘話 〜手塚治虫の仕事場から〜』/三代目編集長・阿久津邦彦氏の巻。担当作品が並ぶとなんとも壮観。山上たつひこ萩尾望都あすなひろし吾妻ひでお内山亜紀という文脈を少年誌に“持ち込んだ”ことになるわけですね。鴨川つばめは自画像姿なのか。マカロニの扉アオリは確かにすごい。/壁村氏から編集の基本を叩きこまれた、というのは元・秋田のコミックビーム奥村編集長も共通して口にすることですな。あと、つい先日も元・秋田のビーム副編集長・岩井氏は作中の「紅」で秋田陣と飲んだそうな。/しかしビーム文庫『青い空を、白い雲がかけてった』にて、阿久津氏の書かれたあのキラキラと輝くような解説文(あすな氏との思い出)読んでた身としては、今回の顔出しの凶悪さはショック受けるレベルでしたよマジで。読もう、コミックビーム文庫も!
青い空を、白い雲がかけてった 完全版 下 (ビームコミックス文庫)