コミックビーム2012年9月号

竹本泉『あかねこの悪魔』/巻頭カラー。その導入なら水着で図書館、かと思ったがちゃんと分けられてた、ちぇ。コートの下から網タイツって、どきどき。
三宅乱丈イムリ』/温泉の女性たちと果物は地母神的エロスというか、北海道の女性が描いた絵、という印象も受けたり。新しい歌の凍えというのは、最序盤で出てきたマージ地下のイムリ達?
志村貴子放浪息子』/あー、このマコちゃんのユキさんへの思い語られるモノローグは、前回のユキさんの怒りと現状対比させると見事だわ。ちょっと感心した。にとりんのこういう欲情出てくるの初めてだっけ。
三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/扉絵、なんだこの迫力。便器からチェーンソーって。/なるほど、ゾンビでなく重火器だから修理できたわけか…て、いやいや。個人的にこの対決は、双方生き残って欲しいんだが。
いしかわじゅん吉祥寺キャットウォーク』/女の子とはキスを、男とはセックスを、てそういうことかよ!/BSマンガ夜話鴨居まさね雲の上のキスケさん』取り上げた際、レギュラー陣が作中におけるエロスの文脈について語り合う中、いしかわ氏だけがずっと「それは普通」と言っていたのですが、作家として同じものを持ってたからこその言動だったのかなあ、とあらためて。
須藤真澄『庭先塩梅』/わはは、こりゃいい話だわ。真骨頂。バーテンさんかっこいい。
松田洋子『ママゴト』/開き直ると、もとい愛されると強いな。
●山本健太郎『ウィンド・ハート・ブレイカー』/家庭内の軋轢はまだしも、神話を背景に同調圧力な追い詰め方ってのはこわいわー。それに抗うのが青春、という面もあるとはいえ。
桜玉吉『2012年3月 忘れる草』/読み切り6ページ。他の読み切りとあわせて、執筆時期どうなってるんだろう。アオリ文の猛りぶりが頼もしかったり。/漫玉的日常の一コマ。ネタを忘れる、のは誰でもあると思われますが、メモを取るのはプロよね。深谷陽が同日発売の別冊チャンピオンで描いてたカレー「ゲーン・マッサマン・ガイ」なら唾飛びにくい、多分。
●市川ラク『ああ、美人。』/読み切り。すごい話だ。美人とブスをこういう風に描く、人間を描いてくる凄み。デビュー読み切りから読んでいる作家だけど、今回の作品ではるばる来たなあ、と思えた。
古泉智浩『夕焼け集団リンチ』/読み切り後編。ああ、すばらしく情けない。そういうもんですよね。おもしろかった。
●仲能建児『ガザポ』/読み切り。暗くあやしい幻想郷。こういうのをすごく冷徹な視線で描いてくる、というのがまた妙味。
●久寿川なるお『鉄オタ少女10』/シリーズ読み切り。「残す」には意志も金もいるんだよね、本当。地方の活性化、もとい存続のロールモデルという話でもあり。
安永知澄『赤パン先生!』/そうか、そうだな。この日々もあったんだな。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/マンガ実況、てそれこそマンガ夜話における夏目房之介の解説のようですが。メタ込みでダメ押し、笑っちゃいましたともさ、ええ。
タイム涼介『I.C.U.』/さすがというか、この手のムチャなオッサン描くと本当映えますな。状況的には最大のピンチですが、さてどう動くのか。
●鮪オーケストラ『マグロ交響曲』/最終回。初心(=連載初回のエロ蒟蒻)に戻ってきたか、という印象。変エロと台無しと謎ハードボイルドな話が好みでした。おもしろかった。
山川直人『澄江堂主人』/最終回。その後の歴史と、ぼんやりした不安。私としては、この作品と松田奈緒子『えへん、龍之介。』の併読をおすすめしたい。楽しかった。


  • 次号から、紙を中とじ誌のものに変更することにより、雑誌を薄くなるそうです。