コミックビーム2012年1月号
●この表紙絵とコピー、 “この年”のしめくくりとしてはすばらしい出来ではなかろうか。
- 須藤真澄『庭先案内』/巻頭カラー、でクリスマスネタはこれのみ。作者鉄板の苦労人キャラではあるが、うう、いい姉ちゃんだ。
- ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』/古代ローマの空に芸者。そして、このキャラはジジイ好きの女にしか描けんだろう。
- 三宅乱丈『イムリ』/司・・・て『ペット』じゃないんだけどさ。/この設定明かしにはびっくり。というか、この伏線出てたの1話かそこらだよね?そしてこのヒキは。「闘い」が始まるのか。
- カネコアツシ『WET MOON』/考えてみりゃ、『SOIL』の主人公刑事二人は“まじめ”ではあったのか。
- 志村貴子『放浪息子』/ああ、お堅い職業で子持ちでお見合いもうまく行きそうだった中年男性が男の娘に惑わされて・・・とかエロス文脈見ちゃう私も毒されてますわな。まあでも大島弓子にも『たそがれは逢魔の時間』とかあったか。あと、朝アニメは子供向けにしようよ。
- 三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/目覚めたら朝のまぶしい光の中にバラバラ死体、て落ち着いてんなオイ。そういう展開か。
- 唐沢なをき『まんが極道』/覆面作家、というポジションも情報化社会たる現代ではその自意識の有り様うんぬんと否応なしに関わってくるんだかどうなんだか。このショタ嗜好の画風は露骨っちゃあ露骨。
- 鈴木みそ『限界集落温泉』/「市長選」という枠組みだからこその、利益=集客追求姿勢はなるほどわかりやすい。
- しりあがり寿『大統領』『階段』『双子のオヤジ』/ショート3本立て。ひさびさの素朴なおもしろさ(あくまでしりあがり風の、ですが)でよいですね。
- 松田洋子『ママゴト』/てっぺんなんてあっという間だ、気づけば降りてる(松本大洋『ZERO』より、観覧車に乗りながら)、てか。そりゃ読者だってわかってた、でも!
- いしかわじゅん『吉祥寺キャットウォーク』/このピュアな瞳の他との落差。いいキャラ造形ではあるのか。
- 羽生生純『いってミヨーン やってミヨーン』/ああ、『ワガランナァー』でしたか。いやいや。こうやって主人公の「普通」を見せていく作品なのかねえ。
- タイム涼介『I.C.U.』/前シリーズとは打って変わってこういう決着。ヒーローではない、稼業でありプロなのだ。
- 安永知澄『赤パン先生!』/これはいいエピソード。マンガ表現的にも、なんつうか自由で楽しい。父ちゃんの存在感が絶妙。
- 上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/再び(?)替え歌ネタ。ちゃんと伏線仕込んで、その結果のくだらなさがさすがだ。
- 竹本泉『あかねこの悪魔』/同意だ、サービスしろ!
- 三好銀『海辺へ行く道』/最終エピソード前篇。最近の過去キャラ出演は終わりに向けて、だったのね。考えてみれば、「ある町」単位の物語でもあったのか。挿話の奇妙なおもしろさの安定感。
- 鮪オーケストラ『マグロ交響曲』/ひどい。いや、あくまで褒め言葉で・・・やっぱりひどいよ!(笑ったけど。)
- 朝倉世界一『春山町サーバンツ』/たけし城知らないって、本当に主人公俺より年下なんだなあ。その顔をセクシーと呼称するのはいいですね。
- 山川直人『澄江堂主人』/ラストページの焦燥感たるや。あらためてカケアミがとんでもねえ。
- いましろたかし『ぼけまん』/最終回、ですが再来月から続編開始とのこと。震災後の路線変更は『ビーム短編集 奥村セレクション』で桜玉吉が描いてたみたく、奥村氏の「ゆるせねぇな」発言によるハッパかけ効果じゃねーの、て気もしますが。/「競馬の予想屋のNASA版?」と言われたら、山松ゆうきち描くところの予想屋と、ボトルシップで撲殺するオチのNASA(『がんばれ酢めし疑獄!!』より)が頭に浮かんで、そりゃやばかろうと。で、こういう“怒り”、表現の形を掲載していく場でいいと思ってます、コミックビーム。
- 金平守人『働け!ハタラキさん』/ごめん、こういうおちょくり大好き。先代・・・。「人外モンにブリティッシュ魂見せたれ」は名言かもしれん、違うかもしれん。
●先月の『まんが極道』のオチ、実話って・・・。
●コマンタレビーマーもすごいな今回。オーナーゼフ・・・ちがうちがう。
●アベックパンチDVDスペシャルコミックコレクション買いました。特典冊子収録の、奥村編集長によるタイム作品解説がすばらしい。ビバ伴走者&伴奏者と書いて編集者魂!