「週刊アスキー」先週号から、越智善彦新連載『ドロイどん』が始まりました

突如飛来した謎のマシン、舞い上がる砂埃……その時、少女は何を選択する!?
(週アスプラス・2011年10月24日19時00分)


待ってましたよ、雑誌連載!!(挨拶)
越智善彦作品が好きです。本当はあじす・あべば名義のエロマンガの方から入っちゃったんだけど(てへぺろ)、その後越智名義での単行本買い集めることになったんだから結果いいんだい!





作品の内容については、

主人公はパーツショップの店員さんでもファミレス店員さんで刑事でもなく、ごくごく普通の少女(ひなたちゃん)とロボット(名前はまだない)のお話。のんきなほのぼのサイレントコメディまんがです。

※登場するロボットのキャラクターはGoogleが作成、提供しているAndroidキャラクターをベースに創造したもので、クリエイティブ・コモンズの表示3.0ライセンスの条件に従って使用しています。まんがの内容、展開に関してGoogleは一切関係ありません。

とのこと。



作者ホームページの「お仕事情報」によると、『海の人』以来ですから5年半ぶりですか。長かった・・・。
しかも、初となる(ですよね?)週刊連載ですからね。うん、今後も楽しみ。



え?
はい、掲載誌は漫画雑誌ではないです。
はい、連載スペースは1/3ページです。
でも。越智善彦ファンの俺は、やっぱりこれが好きなんです。という話を以下に述べたい











これが、連載第一回のコマ割です。(注・絵なんて描かないよ!な素人が目視でうつしたもの)



まず1コマ目。これ縦につっきってますね。大ゴマです。1/3ページだからこうなるけど、まあ普通のページならめくったところにぶち抜きで描いてあるようなもんですね、断ち切りで。で、読者がこのコマを見たときにまず目に入るのが、この雲ですね。このサインペンで描かれた渦巻いた、なんか杉浦茂に出てきそうな。でもですね、その雲の裏側から、細い線で光るものが落ちてきてる様子が描いてある。これ、コマの右上から描いてあるでしょ?だから視線は明らかに、これを追います。右上から左下です。で、擬音も沿わせて描いてありますね、「キイイイイン」と。で、視線が向かった右下に建物の影がある。これなんかもいい感じでカケアミ入ってんだけど・・・。この建物の影で読者は、ファンタジーかな?と思うことになっとるわけであります。
で、2コマ目から4コマ目。「ドォンッ」とぶつかった・・・これ、1コマ目の擬音とまた違う字体で、手描きでトーン貼ってあるんだけど。この煙の中からロボットが出てくる。このもくもくとした煙の質感も私好きだな。なんか昔のアニメっぽいといいますか。でですね。ここ。2コマ目、4コマ目の下にですね、ずーっと影が入ってる。これをあえて解説すれば、まあ地面の断面図ですね。だから黒く・・・まあまたカケアミ入ってるんだけど。ところが5コマ目で読者は、あれ?となる。6コマ目はネタばらし。まあ全然そんな世界設定じゃありませんでした、というひとまずの、第1回目のみ可能なオチですね。
で、さっきの話に戻るんだけど。これね、2コマ目と4コマ目の下の部分の影。これ、つまり読者の視線が下向くのせき止めてるんですよ。実は1コマ目からそうなんです。この右下の建物の影の、とがった屋根の影の延長線上から地面の影が続いてる。1コマ目の右下、ここはもう完全に黒ベタですから。そこから隣の5コマ目、というのは意識させず視線止めて、すーっとスムーズに2コマ目から4コマ目、右から左に流れてく。3コマ目中ほどのロボットの影も、周りは煙ですね、この黒い影も合わせてその上を流れていきます。
で、5コマ目ですよ。これはつまり、読者の視線左上から入るんだ。そこに顔がある、驚きの表情が。で、5コマ目では建物の像はコマの右配置です。1コマ目の左下配置の影と対になってるんですね、光あてられた像が。そこもおもしろいし、これさ、4コマ目のロボが手前に映ってるから・・・この線太くしてトーンはみ出させて貼って、てので表現するのもなかなかいいんですが、ともかくカメラアングルも世界観も下段のコマに行った瞬間ガラッと変わっちゃうわけね。
で、6コマ目の最後の大ゴマで・・・くり返しますけど1/3ページですからね?ここでもう一回カメラがぐわっと縦方向に180度回るわけだ。同時にカメラ引いてますね。この情景。あくまでこういう小道具とかの描写で理解させてきます。あ、さっきの煙は、という話だったんですね。
で、僕がこれ何を言いたいかというと、作者の技術うんぬんじゃないんです。まあ少しは言いたいけど。それよりね、この人はこの作品を本当に楽しんで描かれてるんだな、ってことです。描くのが好きな人の絵なんですよ。だから僕は、読者としてすごく楽しいし、うれしいんですね。そうやって、作品としてもほのぼのとした話だし、こういうオチをつけておられる、越智先生だけに・・・すいません失言でした。でも本当に、『どき魔女』とかさ、『クイーンズブレイド』のアンソロジー描かれてもこのテイストですからね。好きだからこそこだわり見せられるし、でそれはやっぱり同時に、僕は読者への思いやりだと思うんです、受け取ってる側として。それは描かれる世界の、この温かさと共通したものだと思っています。
まあともかく『ドロイどん』、私としては今後も楽しみだ、ということですね。明日出ますかもう。以上です。
どきどき魔女神判!4コマKINGDOM (アクションコミックス KINGDOM) クイーンズブレイド アンソロジーコミックvol.4 (ホビージャパンコミックス)










さて。ところで。しかしながら。
『ドロイどん』の始まったこのスペース、前号までは桜玉吉の『ゲイツちゃん』が連載されていたのですね。
うーん、何の告知もなくいきなり終わっちゃったなあ・・・。
ゲイツちゃん (ビームコミックス) ゲイツちゃんxp (BEAM COMIX)