ハルタ感想

ハルタ 2019-AUGUST volume 67

※2019年8月10日発売。●丸山薫『図書室のキハラさん』/帯裏連載をタテ方向のコマ割りで、海底へ向かう。帯の折り目もページのめくりに代わる演出として機能。●空木哲生『山を渡る─三多摩大岳部録─』/前回の原点にして安堵とは一転、年長者のハードな挑戦描…

ハルタ 2019-JULY volume 66

※先月号です。 ●福島聡『カバー・ストーリー』/ラスト1ページ大ゴマのガジェット集積かつ抑制ぶり。こういうのが上手いマンガ家の絵の密度と提示までの構成よ。●大武政夫『ヒナまつり』/未来改変云々の展開になってから、未来へ帰還する線は完全に消えてる…

ハルタ 2019-JUNE volume 65

※先々月号です。 ●丸山薫『図書室のキハラさん』/大きな図書館には古い資料用の殺菌装置もあるそうだが。投げっぱなし壮大オチは絵力あってこそ(連載スペース帯裏だけども)。●佐野菜見『ミギとダリ』/新たに犠牲者が。いや、ガチでサスペンス展開じゃない…

ハルタ 2019-MAY volume 64

※先々月号です。 ●丸山薫『図書室のキハラさん』/帯裏連載。コマ間白なしでの連続構図転換シーン好き。オチも軽妙。●高橋拡那『紅椿』/新連載。世界巡りファンタジー百合エロコメ、か。●かまぼこRED『美少年倶楽部の秘密』/付録冊子からの移籍新連載。●佐…

ハルタ 2019-APRIL volume 63

※先々月号です。 ●丸山薫『図書室のキハラさん』/帯裏連載。小物にも生き物感の出るタッチ。●中西芙海『巨人暮らしのススメ』/巨人ガジェット無関係な日常パートの方が、ちゃんと画面構成できているように読める。 /そもそも、私はこの作品の読み切り版掲…

ハルタ 2019-MARCH volume 62

●丸山薫『図書室のキハラさん』/帯裏連載ゆえに高さが一定のコマの中で進行する話なわけだが、アップとロング、吹き出しの有無の切り替えでテンポと間を作るあたりが上手さだな。●渡邉紗代『ギャラクシートラベラーズ』/新連載。●空木哲生『山を渡る ─三多…

ハルタ感想記事の更新再開にあたって

いや~、福島聡『バララッシュ』、2巻もむちゃくちゃ面白かったですね!(挨拶) バララッシュ 2巻 (ハルタコミックス) というわけで。サワミソノの連載『丁寧に恋して』の突然の中断&編集部からのそれについてのコメント一切なし、という不義理にブチキレて…

ハルタ 2019-FEBRUARY volume 61

※上であおったわりに、まあ先月号なんですけどね。 ●丸山薫『図書室のキハラさん』/帯裏連載。湿気とカビのファンタジー化か。本の痛みはねえ。●富沢未知果『卵色の幸福』/読み切り。学園もので友情、地に足の着いた展開。正直読みにくさもあるが、画面構…

ハルタ感想更新停止のおしらせ

…というわけで。先月号の感想も書いてないのに、なにをか言わんやではありますが。 ハルタ(旧Fellows!)編集部の運営・増刊号の発行が停止したのに告知も釈明も一切やらない・予告してた単行本が出なくなったのに告知も釈明も一切やらない・連載中だった作品…

ハルタ 2018-APRIL volume 53

帯裏連載・丸山薫『図書室のキハラさん』は新キャラ登場。がたいのいい文学青年といえば、高校時代の椎名誠、という図が浮かんだり。 ●大武政夫『ヒナまつり』/アニメ脚本チェックしてて、一応設定ぽいことも語っておくか、と後付けで出してきた内容、みた…

ハルタ 2018-MARCH volume 52

※先月号です。 カバーイラストは紙島育。草花の生えた女性に虫と小動物。 ●森薫『シャーリー・メディスン』/シリーズ読み切り。犯罪者の逃亡と潜伏、と現実に似たような事件起こっちゃってるけども。期せずパジャマパーティー状態。●空木哲生『山を渡る-三…

ハルタ 2018-FEBRUARY volume 51

※先々月号です。 カバーイラストは宇島葉。擬人化ネコが氷上にてマス(?)釣り、そして本の帯を外すともう一段仕掛けが。こういう所がちゃんと“漫画”、カートゥーンなんだよなあ。 帯裏マンガ、丸山薫『図書室のキハラさん』は節分ネタ。こちらもさすがのレイ…

ハルタ 2017-DECEMBER vol 50(その1)

50号目。表紙デザイン変更。 帯裏マンガ、丸山薫『図書室のキハラさん』は古本買いネタ。今時分にリアル店舗で古書チェックする人と、図書館利用者の親和性というのはあるかも。 付録冊子は『ハクメイとミコチ』トリビュートブック。丸山薫の見開きが頭ひと…

ハルタ 2017-DECEMBER vol 50(その2)

近藤聡乃『A子さんの恋人』第38回 ※文中のページ数は、作品ごとに雑誌ノド中央部にあるノンブル準拠。 ●いやー、ギャグ強いな今回。笑った。ゆうことけいこのシリアス面ものぞき、ラストはある意味これまでの物語空間との決別にあたるのだけれども、話の印象…

ハルタ 2017-NOVEMBER volume 49

※先月号です。 裏表紙新連載は大上明久利『Auto Smith』。クラシックカーのイラスト集。ちゃんと“マンガ”だった前連載に比べると、面白さには欠ける。 ●久慈光久『剣闘奴隷アキレイア』/読み切り。古代ローマのコロシアムで女奴隷同士がズッパズパ。風呂か…

ハルタ 2017-OCTOBER volume 48

●入江亜季『北北西に曇と往け』/もとより筆がつっ走る作家性ではあるのだが、このディテール解説観光描写と悪童の謳歌がフラットにあるのはよく描けるなと。断絶しつつ異郷として一様。少女漫画の伝統文法の一形態ではあるのか。一コマで家畜の柵と提示する…

ハルタ 2017-AUGUST volume 47

『ハクメイとミコチ』アニメ化決定! なお、私のブログでの『ハクメイとミコチ』最新回感想の出だしはこれだ。(しまった。) pic.twitter.com/yIRnBvildl— 原原カカリヤ@我がタブではアイコン四角 (@genbarakakariya) 2017年8月7日 裏表紙『ハルタカルタ』は…

ハルタ 2017 JULY volume 46

裏表紙『ハルタカルタ』は、「みからでたさび」でロボ娘の金属体日焼け跡、もとい潮風による錆。フェチかもしれん、違うかもしれん。 ●佐野菜見『ミギとダリ』/新連載。二人一役養子。 ●八十八良『不死の猟犬』/言われてみりゃ、生き返りのある世界ではル…

ハルタ 2017-JUNE volume 45

裏表紙、宇島葉『ハルタカルタ』は「ゑにかいたもち」で各種名画パロディ。こういう手間とセンスは好み、上野顕太郎の作風にも通ずるというか。/で。以前もこの作品で何かパロディ要素ほめる感想書いたような、と検索してみたらvol 30掲載の「もちはもちや…

ハルタ 2017-MAY volume 44

※先月号です。 帯裏連載、丸山薫『図書室のキハラさん』は眼鏡スーツ館長。キツネ(?)しっぽモフモフ。 ●九井諒子『ダンジョン飯』/耳の描写は画力が出るね、エルフ耳導入。仲間救出という形の成長(努力?)回。回復魔法は接触型であり、そこでの心情から広…

ハルタ 2017-APRIL volume 43

※先々月号です。 ●福島聡『カバー・ストーリー』/ロボットとのファーストコンタクトと、男女の仲の進展と。作者はロボット好きだなー、やっぱり。部位や吹き出しのコマからのはみ出し方、上段左コマから折り返してきた視線意識された右端コマの構図、とこう…

ハルタ 2017-MARCH volume 42

帯裏にて、丸山薫『図書室のキハラさん』新連載。絵物語だな、これ。横長コマの力。 ●サワミソノ『丁寧に恋して』/新連載。まず前号の感想記事で、予告カットの印象を“ハルタ読者層考えてか絵柄を変え過ぎでは”と書いたのだが、本編では特にそんな兆候もな…

ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その2)

近藤聡乃『A子さんの恋人』第29回 ●マンガには、コマの外・枠を黒で塗りつぶす手法が、“過去・回想内”の場面を表現する技術としてある。また、作中で流れる時間とは別のエピソードを、丸角のコマで挿入する手法もあり、これも往々にして過去や回想内の場面を…

ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その1)

※先月号です。 このタイミングで表紙も裏表紙もケモナー向けなんだね、すごーい! レコメン・ポップ・フェローズ応募用紙のアンケート欄が「心に残った小説」。コミックビームの方でラヴクラフトやヴェルヌのコミカライズが調子いいから、とかそういう目的だ…

ハルタ 2016-DECEMBER volume 40

※先月号です。 「レコメン・ポップ・フェローズ」応募要項掲載。執筆陣に今描いてない作家もいるとちょっとほっとしたり。宮田紘次の名前も。 ●山本和音『星明かりグラフィクス』/新連載。美大の才能ある潔癖症と、そんな彼女を利用するべく近づく友人。誌…

ハルタ 2016-NOVEMBER volume 39

帯裏連載、設楽清人『オカ研のユーレイ部員』は食品の霊。ちょっと朝倉世界一(の現連載)っぽいノリ。 裏表紙、『ハルタカルタ』は「畑水練」。さつま芋畑でスク水姿で泥まみれ、フェチを感じる。 ●大武政夫『ヒナまつり』/E.T.のこのシーンも、もはや若者に…

ハルタ 2016-OCTOBER volume 38

●嵐田佐和子『青部高校あおぞら弓道部』/新連載。弓道マンガで思い浮かぶのは成田美名子『NATURAL』と福島鉄平の読み切りくらいの身なのだが、それにしたってアメリカで覚えたという設定は奇抜というか。才能見出だすのは先生だけど部自体は無い、という点…

ハルタ 2016-AUGUST volume 37

●高橋那津子『昴とスーさん』/新連載。彼氏がショタに。 ●九井諒子『ダンジョン飯』/復活の儀式。ラスボスの巨体も、マルシルのバックボーンと歩みも意味があったと。今回はしかし、人の解体を描ける方面のマンガ家と同じ資質と技量を感じたよ、やはり。そ…

ハルタ 2016-JULY volume 36

表紙は山本ルンルン。ホラー風味ながらかわいい。作者ツイートによると「漫画家生活18年目にして初めての表紙」とのこと。コミックビームのウエケンも夜千100回記念で同じようなこと言ってたな。 RT @lunlun_y: 7月15日発売のハルタ36号、表紙を描かせていた…

ハルタ 2016-JUNE volume 35

●大武政夫『ヒナまつり』/お、田中圭一への挑戦状か(やめれ)。ヤクザビジネス漫画といえば、大抵手法解説がメインになるわけだけれども、その点こそが相手のターンと。 ●九井諒子『ダンジョン飯』/辛くも勝利。いや、緊張感すごかった。主人公達の負傷が痛…