このコマ

顔力/稲山覚也『アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover』4

きたよクライマックス! 稲山覚也によるミリマスのコミカライズも4巻目。大きな山場である。その作家性には以前もふれたが、ともかく読んでほしい、この絵力とそれによる芸と遊びと構成力の巧さに裏打ちされた群像劇をば。ちなみに、新規公開の11話で私が一…

稲山覚也『アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover』

http://genbara-k.hatenablog.jp/entry/2018/08/01/231538 かつて、物語として拙いのれない部分あるの認めつつ、絵なり構図なり構成なりでの巧さと挑戦は見せられ続けたわけですよ、読者として。テンプレとサンプリングの小器用さで展開だけは回してみせる芸…

単行本感想:『ヴィジランテ』6、『ちんちんケモケモ』2、『ボクらは魔法少年』1、『青のフラッグ』5、『繭、纏う』1

たまにはこういう記事も。 古橋秀之・別天荒人『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』6巻 ヴィジランテ 5 ―僕のヒーローアカデミアILLEGALS― (ジャンプコミックス) 一つの山場を越え、物語は新たな日常へ。その様変わりにおいての淡々とした、し…

門司雪『アイドルマスター ミリオンライブ!』3巻より

前段ミリオンの曲聴いて興味持ったら次はゲッサンミリオンだぞ!!むちゃくちゃ多いアイマス公式コミカライズの中でも、名作中の名作と呼ばれてるゲッサンミリオンを読みましょう。 pic.twitter.com/o6BLKrKqCo— あーたん(21) (@Athenekey) 2017年10月15…

『アイドルマスター ミリオンライブ!』4巻より、セリフの出版社フォーマット

定期感想記事停止中。週末には各誌バックナンバー読めるかなあ…と。 そんなわけで(何が)購読誌ではない「ゲッサン」連載、『アイドルマスター ミリオンライブ!』4巻の話をします。アイドルマスター ミリオンライブ! 4 オリジナルCD付き特別版 (ゲッサン少年…

増田英二『実は私は』114話

チャンピオン先週号掲載、前回の『実は私は』に出てきたギャグ顔がなんか見たことあるなあ、と思ってたんだが。 夏本満『保健室の黒便り』に出てくる化け物「ツカレ」に似てたのだ、と思い出した。 ハートウォーミング学園マンガにおける異形、近い!実は私…

水島新司『ドカベン ドリームトーナメント編』

「週刊少年チャンピオン」2015年14号より。 ●殿馬のセリフ づら づ づづら ●殿馬のバッティング音 ズラキン 以上。

入江喜和『たそがれたかこ』、新井英樹『SCATTER』

昨日の入江喜和『たそがれたかこ』感想記事の続きとして。 (『たそがれたかこ』3巻より) 右側の主人公のモノローグたる各種文字の嵐に、左側の母の肉声が刺さる図が好き。あと背景描写。 そして入江喜和の夫、新井英樹の描く『SCATTER』から文字つながりでこ…

入江喜和『たそがれたかこ』3

試練の時、もといこんな人生の瞬間もある、あるいは新たな出発点となりそうな。バツイチ45歳女性・たかこの姿を描く、入江喜和『たそがれたかこ』第3巻です。たそがれたかこ(3) (KCデラックス BE LOVE)作者: 入江喜和出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/11…

かわいい

水島新司『ドカベン ドリームトーナメント編』より。 口喧嘩かわいい。(週刊少年チャンピオン2014年51号) つの丸『たいようのマキバオーW』より。 父娘関係かわいい。 「妖怪占いランド」より。 森田将文のメガネっ娘妖怪かわいい。

中村哲也『坂がちガールズ』

「ハルタ 2014-NOVEMBER volume 19」より。 ●右ページ下段の絵になります。 ●自転車で坂を下る二人の少女の図です。曲がりくねった道という一枚絵を、コマの枠線で三つに分節して、その中をコマ移動という時間経過と共に進んでいく、進んだ地点の絵がコマの…

近藤聡乃『A子さんの恋人』

「ハルタ 2014-NOVEMBER volume 19」より。 ●悪い顔(性格が)と、その背景のカケアミです。 ●このカケアミが、描法としてはむしろ“荒い”のかもしれないけれど、人物の造形と作中の空気にマッチしたざくざくした絵になってる、その効果が好きです。マフラーの…

浜岡賢次『毎度!浦安鉄筋家族』

週刊少年チャンピオン2014年50号より。 ●高級バナナの入った箱を開封するシーン。 ●前ページからの続きで、右ページ上段のコマ。つまり、ページめくるとまず目に入る大ゴマ。 ●箱を開封する擬音(オノマトペ)「パカ」がまず読者の目に入り、読まれる。そこか…

増田英二『実は私は』70話

進化 第10話 ↓ 第47話 ↓ 第70話 以上。 はい、そういうわけで先週の週刊少年チャンピオン31号『実は私は』には最大級の「き キタァーーーー!!」(作中より)展開が待ち受けていたわけですが。夜プールでの名前呼びといい、雪山でのぎゅっといい、今回のこれと…

どおくまんの描く台風

思い出して見返してみたらたまらなくなったものでアウトプット。 (『嗚呼!!花の応援団』より。) 氾濫する川を真上から。もう風と水流(を表現する記号)の密度がすごい。描き込みで読まされてしまう。 青木雄二にも通じる作画ですが、どおくまんの場合はこれを…

越智善彦『ドロイどん』96〜100、他

(『ドロイどん』96話より) 冒頭三コマ。「ででん」とたたずむドロイどん。足元、ここでは噴出口ですが、その周囲に煙が漂います。「カシャ」「カシャ」と双方の腕が個別にオノマトペ立てて変形。リアルロボット、じゃないけれど、いつもよりややリアル寄りの…

越智善彦『ドロイどん』91〜95

(『ドロイどん』91話より) 「キヨキヨキヨ」とメカ群に追われるひなたちゃん。汗かきべそかき猫抱え、真正面からの構図です。なんかわざとらしい程レトロな構図のコミカルさ。これを描けるのが作者の距離感ですね、作品に対する。 そこに響く「ガンゴンガン…

越智善彦『ドロイどん』86〜90

(『ドロイどん』86話より) 海水浴です。砂浜をかけていく、ひなたちゃんと防水カバー装着ドロイどん。後ろではお姉ちゃんが「ぎゅむむぅ」と自分のドロイドにも防水カバーつけてます。少女は笑顔でうきわ抱えて、無表情なロボットは両手をあげて、一緒に走っ…

越智善彦『ドロイどん』81〜85

(『ドロイどん』81話より) スズメとドロイどん。まず、この目で「プッ」と笑ってみせる動物、という絵をひさしく見てませんけど。 で、そこにドロイどんが「そお〜〜‥」と手をのばします。「ぽふっ」。手がとどかない。「ぽふ ぽふ ぽふ」。何度やってもとど…

越智善彦『ドロイどん』76〜80

(『ドロイどん』76話より) はい、これは廊下の角でガイコツとセイバー、のようなドロイドがはちあわせする場面です。 読者の視線が入ってくるコマ右側に「キュイイイイン」という描き文字・オノマトペがある。それを見て左側にいくとコマの上下にキャラがい…

越智善彦『ドロイどん』71〜75

(『ドロイどん』71話より) はい、1ページ四段構成の二段目、右端から四コマ。これは黒ドロイドが倒れているの見て、お嬢さんが自分のドロイドに指示を出す、という上段から続くコマです。 まず一コマ目。コマの右上にドロイドの腕。筒状の、射出形態のそれが…

越智善彦『ドロイどん』66〜70

(『ドロイどん』66話より) 雪景色の中、木にまかれたワラに興味を持ったひなたちゃんです。 「カサ…」とめくると「もぞもぞもぞ‥」となってて引くわけです。目は点から白丸から黒丸。背景は白から黒からカケアミ。見る対象の影や描き文字・オノマトペふくめ…

越智善彦『ドロイどん』61〜65

(『ドロイどん』61話より) ひなたちゃんをベッドに寝かせて、お姉ちゃんが部屋から出てった次の場面。 部屋のドアが「パタン‥」と閉まり、ドロイどんとネコがコマの左側でそれを見ています。そのまま左のコマに目をやると、ドロイどんとネコがコマの右側に、…

越智善彦『ドロイどん』56〜60

(『ドロイどん』56話より) アナログ描画で、貼られたスクリーントーンのグラデーションによる暗さの表現なのに、ガラケー撮影画像クオリティですいません。 はい、謎のおじさんと黒ドロイドの行進。背景、出入口の向こうに「キヨキヨキヨ…」となにやらメカが…

越智善彦『ドロイどん』51〜55

(『ドロイどん』51話より) 「びゅうううん」と風の吹きすさぶ鳥居、から下に目をやると石段の両縁をかけ上がる2体のドロイド。 「ビュンッ」という描き文字・オノマトペとともにロングからアップへ、枠線なしのカットイン。 (『ドロイどん』52話より) 複数の…

越智善彦『ドロイどん』番外編

越智善彦『ドロイどん』は週刊アスキー連載作品ですが(現在は『ドロイどんZ』連載中)、秋葉原で配布されるフリーペーパー「週刊アスキー 秋葉原限定版」には『ドロイどん番外編』が掲載されていました。 今回紹介するのは、一昨年末に出た「週刊アスキー増刊…

越智善彦『ドロイどん』46〜50話

(『ドロイどん』46話より) はい、1ページ四段構成の二段目、右端から二コマ。 右のコマで初音ミクコスプレ(?)のドロイドがひっくり返ります。この動きあらわす動線の形とかカケアミで描かれた影もいいんだけど、私が好きなのは描き文字、オノマトペです。 …

越智善彦『ドロイどん』41〜45話

(『ドロイどん』41話より) 「わさわさわさ」と白抜きゴシック体であらわれ、「わさわさわさ」と筆字で近づいてきたり。 (『ドロイどん』42話より) 「コンコン」と叩いても、無反応だったドロイドが「プキュウ」と頭を押されると「ピポッ」と動き出したり。 (…

越智善彦『ドロイどん』37〜40話

(※36話の切り抜きは見つからず。) (『ドロイどん』37話より) ひなたちゃんがドロイどんに、はずれた頭を装着させる様子描いた四コマ。 一コマ目、走るひなたの姿。白い背景で全体像を横から。この体勢もユーモラスなんだけど、下に棒のような影。 二コマ目、…

越智善彦『ドロイどん』31〜35話

(『ドロイどん』31話より) はい、これは1ページ四段構成の三段目を、右端から3コマ。 読者の視線は二段目左から折り返して、このコマの左上から入ってくる。そちらの方向の“何か”を見る、向かい合う形で、ドロイどんとひなたちゃんの頭に、気づきの動作表現…