週刊少年チャンピオン2018年34号

荒達哉『ハリガネサービス』/200回突破記念巻頭カラー。長く続いてるなあ、これも。主人公のモノローグにしばしば見られる「だから何?」感。

渡辺航弱虫ペダル』/また外的要因なのかよ…。

平川哲弘『ヒマワリ』/痩せるとまた同じ顔が…いやいや。

板垣巴留BEASTARS』/よかった…死んだドールビッグホーンちゃんなんていなかったんだ…。レゴシは能力開花し過ぎだろ、しかし。リズは戦い通して孤独と向き合うのかな、と前々回書いてたら、はなからそれを自覚しているあたり自家撞着ではあるのね。「食わせるな俺のエゴ!!」はいい啖呵だ。ルイが見つめる“守るべきものがある肉食獣”という図は、レゴシとの関係であり、自らの過去との因縁であり、リズにも伝わる内実かもしれないわけだが、すんなり足抜けといくかねえ。

●灰谷音屋『ジュニオール』/天気いいから、というのは最初にした雲の色云々って会話にかけてるんだろうか。有名人による陽動。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/ネタ3本によるスピード感で笑ってしまった、

●齋藤勁吾『アカトラ』/やっぱりバトル自体で読ませる路線ではないのだろうか。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/間が悪いネタの感。こういう構成できるのも技術だわなあ。紙と電子版で読んだ印象に差が出るかも。

増田英二『週刊少年ハチ』/熱狂と疎外感。バケツ水は昔からのファンへのサービスかね。

桜井のりお『ロロッロ!』/変態行為以前に普通に距離をおかれる、つらい。そのつらさを読ませる構成と人選が、また絶妙。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/なんか希美さんがブス度下がってるけどポリコレ的配慮ってやつですか?

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/そのネーミングには気づかんわ。それ隠す為の動物名しばり?チョウソカベの方は目標の為の人徳稼げていたと。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/シンフォギアという、腕失ってパワーアップする先例もありますからね。


  • レジェンド作品紹介、どういう選出になることやら。1・ドカベン、2・ショー☆バン
  • 巻末コメント、浜岡賢次は柳好き過ぎでしょ。
  • 次号、『開田さんの怪談VSフランケン・ふらん』掲載。「伝説のホラー漫画」と紹介されているふらんだが、いや、あれはSF漫画だろうと。

週刊少年チャンピオン2018年33号

●齋藤勁吾『アカトラ』/新連載。ファンタジー幕末アクション。チャンピオンらしからぬ(?)普通、一般的なノリと導入で誌面的に新鮮ではある。全体的な構成はいいとして、バトル描写に注力しきれていないのはやや難。

渡辺航弱虫ペダル』/こういう見得を切れるのも二人の信頼関係ならでは、なんだろうけれども。

●中村勇志『六道の悪女たち』/100回記念センターカラーで、サブタイトルはメインヒロインの名前で、内容はなんか浦安鉄筋家族みたいなノリですが。

板垣巴留BEASTARS』/歌番組なんて文化もあるのか。リズの発言はさすがにブラフだと思いたい…こだわっていた“友情”もないので。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/“みんな”単位ではなく、おのおのが点在している世界なんだよな。それがコミュニティのリアルでもあるんだが。

増田英二『週刊少年ハチ』/ああ、そこまで利に回収するのか。実際、担任の言うことは間違ってないと思うんだけども、“外部”に向けて言うことじゃないんだよね。そこでおはなしとしての内実と、設定上見ざるを得ない“世界”の部分で背反きたしちゃうわけで。

●灰谷音屋『ジュニオール』/この風貌で曲芸キャラというのもおもしろい絵面ではある。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/サービス回なんだろうけど、しんどい。

桜井のりお『ロロッロ!』/サービス回なんだろうけど、それじゃない。

佐藤タカヒロ鮫島、最後の十五日』/勝負の分かれ目は、それぞれが受け継いできたもの。敗れた側も道を疑うでもなく、なお邁進するべく克己という光景が熱くてよい。そして、一日を残して神との対面という戦慄。/作者急逝のため、連載はここまで。熱い、力強い作品を、ありがとうございました。できれば最終巻の付記等で、今後の構想についても明かしてほしい所だが。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/武器化能力は作者の画力的にも映えそうなビジュアル。掲載位置的に不安なんだが、本当終わらねえでくれよ、熱いしおもしろいし巧いし。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/攻撃がド派手だよ、バトルマンガな戦況だよ。援軍が一人一派に、という展開かな。

石黒正数木曜日のフルット』/クリーチャー漫画。


  • 投稿コーナー最終回。で、次号からは50thアニバーサリーとして過去も含めた掲載作品についての投稿を募集と。あすなひろしについて送っていいんだな!

-巻末コメント、個人的にアレな作家二人のみそろってそっけない定型一行コメントってのがまあアレ。

週刊少年チャンピオン2018年32号



渡辺航弱虫ペダル』/500回突破記念巻頭カラー。結局、古参メンバー描いてる方が楽しそう。

夢枕獏(原作・板垣恵介、挿絵・藤田勇利亜)『ゆうえんち─バキ外伝─』/前章から時間とんでるのか。梢パパ(かどうか不明だが)と修行したのかな。

板垣巴留BEASTARS』/薬、噛みつき、決闘というモチーフに刃牙最大トーナメント編のジャックが連想される。意味する脈絡はそれぞれ真逆なのだが。リズの内面はどんどん自己暗示になってるんだけども、決闘において孤独と向き合うのかねえ。あとトマトの湯むき描写おかしくないか、と思ったが、そもそもこの毛だらけで爪伸びた手で料理するのがどうなんだって話だし。

増田英二『週刊少年ハチ』/作者の過去連載ふくめて見れば、カップル→チーム→学校とおはなしとして語る場を段階的に拡げてきてて、本作では題材的にも外部と向き合う構造になるわけだが。そこで設定の苦しさが先にきちゃう面は否めんなあ。海を越えたらおはなしの内圧が失われる少年マンガみたいなもんで。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/虚無!(はてしない物語)

●中村勇志『六道の悪女たち』/なんか笑う以上にあっけに取られる感の連発。

桜井のりお『ロロッロ!』/前回を別視点より。思いやりだ。

●安部真宏『あつまれ!ふしぎ研究部』/扉絵で右手の指がおなじみ畸形化してるわけだが、ちょっと思ったこと。



→せめて爪くらい描く真面目さがあれば、必然的に指の角度や手の構造も意識せざるを得ず、少しはまともな絵になるんだろうけどねえ。

平川哲弘『ヒマワリ』/震災の話が関わるのか。本作における“リアリティ”はディティールではなくサンプリング、という面はあるがそれはそれ。

荒達哉『ハリガネサービス』/チートにはチート、はい。

●灰谷音屋『ジュニオール』/野球部員でその戦闘スタイルはどうなの。ドカベンにおける巨漢の体当たりみたいなもんか。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/しびれは普通に肉体的ダメージなのでは…。まあ精神的ショックでも死ぬんだから意識の方に縛られるってことかも。

佐藤タカヒロ鮫島、最後の十五日』/決着。先人の像を背負って、という王道的ビジョンでもかなわなかった時、その絆が力になるのか。修羅道ではない片鱗が物語に浮かび始めたこの時に、なあ。

碓井春佳『少女ら、空が故』/読み切り。肉体派ヤンデレ百合。画力で損してる感はある。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/そっちが黒幕か。前連載も最後の敵は神だったしなあ。タイトル回収されるのはいいね。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/ラストの構成に、うっかりへうげものの信長連想してしまった。新しい味方はカッコいい…のか?

石黒正数木曜日のフルット』/作者に関心ないのにサイン会に来る人なんて、まあいるんでしょうけど。


週刊少年チャンピオン2018年31号

  • 表紙がドカベン、表2がドカベン単行本広告、表3がバキアニメ広告、裏表紙がシャドウバース広告。



水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/シリーズ最終章、最終回。途中で優勝チームはメジャーと戦う、と言い出した時は、民話とグローバルが出会っちゃいけない!と危惧したもんだが、ショーマストゴーオンにするでもなく、山田と岩鬼の二人で始まりの出会いを回想して終幕。そもそもこの最終章自体、“現実”としての球界と袂を分かつ形で始まったものであった。また、かつての『大甲子園』が、おはなしに“リアル”が希求された時代性前提での「クロスオーバー」の凄味だったとするなら、この最終章のオールスター戦はすでに自覚的に異なる脈絡としてあった。作者にとってはそれこそ、学園マンガ的な楽園にも近かったと思うのよ。そして最後は、自らが嚆矢としてあったスポーツ漫画以前、まだバトル漫画の地平であった原風景で幕、と。描き手としてはこれも、自然な選択であったのだろう。
/さて、私が最近のドカベンで反応していたのは、ほぼオノマトペについてばかりなのだが。今回も、観客席の「シィ~~ン」から筆字「ドォ」「ドワァア」(枠線が透けて見える)への転調、「うおおお」を出さなくなる球道あたり見所。なにより、岩鬼の助言後に山田の打球音が変わる、岩鬼化する点はプリミティブながら、だからこそ作者の直接的な念の表象であり、この作品のクライマックスである。山田が打った見開きの後の8ページで、選手観客生放送問わず30回「ワー」ですから。その後一転、山田と岩鬼二人の会話は静寂の球場にてですから。
 
/アンケート項目、水島新司の自伝マンガはぜひ読んでみたいですね。貸本時代メインで、マンガ史における一つの証言として。お疲れ様でした。

渡辺航弱虫ペダル』/鳴子の名前がサブタイトルになるの、何度目だっけ。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/喜びですら邪念、ともはや悟りに近い。意識を切り離す、のイメージが損壊というのがまた。

増田英二『週刊少年ハチ』/お風呂回、だが男だ(主に)。さすがに風呂では着ぐるみ脱ぐか。わりとちゃんとした先生だった、のはいいとして、どこに着地するんだこのヒキ。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/衣笠ネタ。ドカベン最終回へのはなむけだな。この作品自体の継続ぶりもすごいんだけども。

板垣巴留BEASTARS』/扮装。力技による息抜き回感も。笑わせれば勝ち(へうげものイズム)。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/人間は猿じゃない、人間は猿じゃない…。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/人間は鳥じゃない、人間は鳥じゃない…。

●中村勇志『六道の悪女たち』/勝負服!!

佐藤健太郎魔法少女サイト』/即死判定とライフゲージがゼロになるのはまた別みたいなこと?いずれジリ貧なのかよ。

●灰谷音屋『ジュニオール』/条件設定バトルは作者の腕の見せ所だが、さて。

西修『魔入りました!入間くん』/作者は絵本を読んだことがないのか?というレベルだが、そもそも概念や世界法則が見当たらない作品だからな…。

平川哲弘『ヒマワリ』/前回、“田舎の家”としての外観をほめといてなんだが、その内装がフローリングとシステムキッチンというのはちょっと違和感。そういう家って言われりゃそれまでだが。曲調によって舞う音符の使い分けとかしないのか。

桜井のりお『ロロッロ!』/性別不明に対する無意識下でのエロショットパターン、とこれはこれで歪んでいる。

荒達哉『ハリガネサービス』/笑うなって言われても、これは笑うよ。(すまん)

●寺谷彩『彼女のためなら死ねる』/読み切り。なんでこの年齢設定に、と思ったが若すぎてもこのオチはつらいか。仕掛け自体でなく、人物の意地の悪さに重点おかれるのがいい。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/別離。まあ実際、人の手を借りた方が強いだろうというのはあるんだが。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/救われねえのはこの姫樣じゃねぇっ…!今立たなきゃ…俺達が救われねえんだっ…!

石黒正数木曜日のフルット』/ノラと家猫の思いやり、すれ違い。


週刊少年チャンピオン2018年30号

  • バキの声優、本部役はいつ公開されるんだろうか…。



佐藤健太郎魔法少女サイト』/結構死にかけてるのね。あれ、新メンバー二人は時間戻す能力を失踪中に得たってこと?(一人死んでたし。)

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/なんつうかこう、おもしろいんだけども、絵柄のこなれ方に対して見せ方にあたる構成力は据え置きなんで、ネタの密度が増えると読みにくくなるんだよな。特に今回は限定空間だし。

渡辺航弱虫ペダル』/仲間に全うさせる、という意識の成長。確かにこの三人でやらせてこその展開ではあるが。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/秘打「花は咲く」…スタンド名「チョコレイト・ディスコ」を見たような気分だ。で、星王ゲッツーで山田の打順が来て、次回最終回。
 
→まあそんな星王ですけど、捕られた際のオノマトペに気合い入ってるのが救いかもしれん。打順来た時も筆字だったらなあ。
 

●中村勇志『六道の悪女たち』/作中の季節にあわせて、ヒロインのサンタコスセンターカラー(あわない)。

桜井のりお『ロロッロ』/女装入部はどういうポジションなんだ。友情だけどひどいオチは安定。

西修『魔入りました!入間くん』/全巻重版ってどうしたんだろうと思ったら、次にくるマンガ大賞にノミネートされたの当て込んでるのかな。ちなみに去年はAIの遺電子ノミネートされてた(候補50作品中、最終公表結果20位以内には入れず)。

板垣巴留BEASTARS』/浮気されたからってメソメソ引くタマじゃねーんだよ、あ?なメス描写がよい。負傷が日常として受け入れられるのはいいんだか悪いんだか。前回といい今回といい、舞台上での感情の発露が見せ場になるのならジュノはどう出るんだろ。ビルの卑近な反応に笑う、こいつも変わったな。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/本当この季節になるとムカデがなあ、と感じるのは田舎の出の読者だけなのだろうか。ムカデからの動物園化は日常ネタからファンタジーへの飛躍、と読むのも俺が田舎出身だからなのか。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/何このほのぼのオチ、というかガキの世界か。一瞬刃牙だけど。背景の雨の描写がすごい、という前提ありきで。

車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/夢オチ。はい休載。

平川哲弘『ヒマワリ』/最後のコマに出てくる、この“田舎の家”のリアリティがな。家の前の道が整備されて、それにあわせて入り口を階段状にしてライトつけるのよ。段差をブロックで埋めて柵代わりに木植えるのよ。庭つぶして横方向に増築して、しゃれた出窓と照明つけてな。この作品におけるディティール描写を評価できると思ったのは、草刈り機のオトマトペに続いて二度目なのだが、それでいいのだろうか。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/受け継いだものの先は、脱力?

増田英二『週刊少年ハチ』/あれ、ウケるんだ。才能主義だけが作家性ではない、というような話。

●灰谷音屋『ジュニオール』/子供たち、とタイトルの意味はそこかな。面白いんだけども、この尺の割き方はどうも青年誌っぽい。

荒達哉『ハリガネサービス』/どのキャラの過去編も笑いながら読んでた俺に言われてるようだ!

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/軽トラ…だったらイケるぜ!!見得を切れるのも構成力あってこそ。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/仕掛け役の正体判明、すわ別れかという局面と、最終決戦前っぽい展開。アケチはそもそも虫じゃないのかな。

●松本豊『姫様の滅亡譚』/読み切り。クリスマス、てなんでこの時期にそこでかぶるの。設定の小ネタの部分でわりと楽しい。本編と目次でタイトル違うんだが、本編準拠で。(目次は「姫君」。)


  • 「菊とギロチン」の鑑賞券プレゼントか…。他の少年誌にもあるんだろうか。