週刊少年チャンピオン2017年47号

●中村勇志『六道の悪女たち』/妄想ビジョンで自爆、とやっぱり椰子谷さん精神的にオタク気質では。珍しく能力そのものによる突破だが、一応行動あってこそなのか。運命論者が相手ってことね。

渡辺航弱虫ペダル』/最後に至っても指示される側というキャラ造形。“才能”の描写としてはまあ一貫しているわけだが、有する側から信頼されてこそとかなんとかそういう脈絡かね。

平川哲弘『ヒマワリ』/デビューしてなかったのなら別に…。あんまりドロドロしたのは回避ですね。

●瀬口忍『囚人リク』/作者も肉弾戦展開はこれが最後と思って描いてるんだろう。対立構造の明示としても、(体型の)インフレ的にも。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/刃牙のインフレ展開へのメタツッコミじゃねえの、これ。今から思えば『バキ』にてコメディノリで体育テスト回やれたのは、最後のチャンス逃さず描けてたわけだ。

板垣巴留BEASTARS』/六道とこれで、異性のオタク描写つながりかもしれん。ヒーローを見守る存在という立ち位置の自称に、ワートリのラグビーさんがダブるなど。役目に沿う意志。

桜井のりお『ロロッロ!』/なんでまたブレードランナーパロディ(深読み設定ver.)、いやネタ的に合ってなくもないけど。考え過ぎか?ちとせは一応友情深まってるのね。照れの方が大きいのか。

●伊科田海『GREAT OLD』/早めに大きい設定登場、世界に反旗フォーマットとしてはこういうものか。どういう闘いになっていくやら。

車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/IDがアポトーシスされる、のパワーワード感。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/応急措置しつつ進むというキツさがね。王虎さんツン。

西修『魔入りました!入間くん』/恍惚の表情に彼を思い出した。


→はい、『殺し屋1』に登場する最大の敵にして最強のマゾ・垣原ですね。予想されるオチとしては、自分が絶望した時に最大のエクスタシー。しかしなあ、自分に向けられる個別の反応見て楽しむ性癖のサディストが、被虐側を群としか見ない・扱わないテロに走るって動機づけとしちゃ微妙。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/死なないと死ぬーー!!!のパワーワード感。

荒達哉『ハリガネサービス』/ビーム今月号の青高チア部が応援に関する運動部とブラバンの折り合いトラブルだったもんだから、OBがしゃしゃり出てくるとか絶対ダメだろって感じだが。ロジックによる試合展開頑張ってるのがわかるだけに、いまだ画面構成には難ありなのがな。

●吉野宗助『MASTER&D』/このタイミングでタイトルの意味が判明し、シチュエーションコントを熱演し、魔法を覚える。ストーリーギャグだわ。

小沢としお『Gメン』/みんな幸せじゃねえか、なバレンタイン回。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/強キャラ信長登場。天下布武ではなく天下転覆と。終わり近いのかな。




  • 巻末コメント、中村先生はミリマスの佐竹美奈子応援するというのはどうでしょう。


門司雪『アイドルマスター ミリオンライブ!』3巻より

前段


言及



まあたまにはこういう自己アピール(?)もですね。
この筆力によるからこその名曲、アイドルマスターシリーズ初のコミカライズから生まれた曲「アイル」ということで。



youtu.be
「アイル」20:26~



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アイドルマスター ミリオンライブ! 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

月刊コミックビーム2017年11月号

  • 目玉焼き実写ドラマ化発表、ということで表紙は主演の青柳翔。箸で名をつまんでいる!/巻頭には、おおひなたごうと青柳氏の対談掲載。青柳氏、いいこと言うじゃないか。






おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/炎上展開とは。コミュニケーションを主軸にしてきたこの作品にあっては、当人同士以外からの視線、という深化ではあるのかな。配膳編からマナーへの問いかけ・再認識というタームに入った観あるし。対談中で触れてる、焼肉編への「すごく文句がくるだろうなという予感はあったんですよね。案の定、ちょっと炎上して(笑)。」という言及も、自覚的だからこそよね。

●オカヤイヅミ『ものするひと』/言葉を読ませる、文字を目で追わせることに意識的であるなあ。その中で、ともすれば単純な印象の絵柄が効果的に映える。枠線からはみ出す吹き出しによる、コマ間の時間・場面の接続がおもしろい。

●伊図透『銃座のウルナ』/ここで初めて、読者もその人々の姿を見るわけだ。正体を気づかれてから、彼自身が見せないようにした心情がね。選んだのは願い、希望でもあった、と結果それが復讐にもなりうる断絶の重さ。性的な意味でも。

田中貢太郎近藤ようこ『蟇の血』/こういう怪しさ、危険さの描写はさすが堂に入ってる。女の目力。

三宅乱丈イムリ』/ガラナダ…。ここで権力闘争の再燃という展開に転がすのはすごいな、しかし。カットバックの巧さが会話の緊迫感を盛り上げる。イマクの方は気づかれていないのか。アオリによれば、いよいよ「最終局面」とのこと。

新井英樹『KISS 狂人、空を飛ぶ』/本作でも勃起が重要事になるのか。理不尽な境遇下であがく少年二人…BLっぽいといえばそうかなあ。

●conix『青高チア部はかわいくない!』/前回の熱血展開から、今回はチア・ブラバン・野球部三つ巴の折衝合戦というドロドロリアリティ出してくるのがたまらん。こういう“外部”の存在も、部活ものというジャンル的には独特だろうか。前提にある会議参加者のキャラ付け、はぐれ者への押しつけというシビアさがまた。勇気100%は長年現役だしな。今回のポージング見開きは1年が手前か。

●H.P.ラヴクラフト、田辺剛『狂気の山脈にて』/脱出。恐怖を脱してからの、この慨嘆は読ませる。次回最終回。

小林多喜二唐沢なをき『僕らの蟹工船』/どういうプレイだよ…似たようなシチュエーションのエロゲーあったな(おい)。

上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/ショートフラッシュ。メタネタ統一かな。ラストの『恐怖博士の研究室』パロディは不意打ち過ぎる。

山田参助あれよ星屑』/感傷、か。その場所に縛られて生きていくしかないんだよな、多くの人々は常に。

松田洋子『大人スキップ』/思い出の場所へたどり着けるまでに、て、いやいやちょっと待って。次回最終回、えー。

山川直人『小さな喫茶店』/ベタな展開と言えないこともないのだが、最後に“過去”という形で提示されたのにはちょっと驚いた。

須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/出立。扉絵の笑顔で踏み出す様や、旅路のザ・自然な背景密度がしみじみ良い。豪雨の表現も(笑)。いない者と共に歩く、というこの心情は、『庭先案内』の方の幻灯機シリーズとも通じるか。

ジュール・ヴェルヌ、倉薗紀彦『地底旅行』/最終回。名作としての大団円。絵柄がいいはまり具合い見せてくれた。お疲れ様でした。






  • ↓ちゃんと載ってましたぜ。


  • 次号予告、前号で休載した桜玉吉が「元気な姿をきっとお届け!」書かれてるのが切ない。

週刊少年チャンピオン2017年46号

渡辺航弱虫ペダル』/OB陣の発言はほめてるのかどうか。箱学勢の中で真波が唯一手嶋に無反応なのは、思うところありそうだけれども。

桜井のりお『ロロッロ!』/人間の嗜好にあわせたロボットと自我を持つロボットの差異とかなんとかそういう。

板垣恵介刃牙道』/刃牙にとっての夜叉猿再訪問みたいなものか。

平川哲弘『ヒマワリ』/アイドルとは何か。アニメ版では、アイマスはコンテンツを前提としてのキャラクターの原点という“再話”、デレマスは元が設定付加継続中のソシャゲなだけに“原点がない”こと自体の物語化、という構成だったが、ではキャラ設定に各々“前日譚”が存在するSideMはどう語られるのか、はたして土屋理敬脚本の再々登板はあるのか、気になるところですね閑話休題。前作の不良マンガ的な話法と、相性としてうまく転がるや否や。

●水森崇史『東京野球女子百景』/2号連続読み切り。何がおもしろいんだかよくわからん画像バズってると思ったらどこぞで連載化、というのもすっかりあるあるだな。

板垣巴留BEASTARS』/逸脱へといざなう蛇、か。ここに来てのその形状はインパクトある。鳥類の方に手が残ってるのは始祖鳥由来になるのかな、恐竜いたわけだし。

●中村勇志『六道の悪女たち』/妄想にふける腐女子の心象表現みたいな見開き。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/フォーマット的には『シャカリキ!』の系譜としてのバチバチ!であったと。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/間違いをするのはしかたなくても、嘘をつくのはダメなのです。

●吉野宗助『MASTER&D』/女体化展開、をさせた側のこれはいい(情けない)自爆。こういう中性的なキャラをちゃんと描ける画力あったら、遺電子ももうちょっと芸風の幅あったろう。

西修『魔入りました!入間くん』/見開きが何をしている絵なのか、どういう行動単位を、経過時間のどこを分節として描写したコマなのか、理解できないのだが。どうせテンプレ展開しかないんだから、なんとなくで察しろってことかいな。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/公募吸血鬼登場(集合)回。つまんなくても読者のせいにできるし、採用者は内輪で盛り上がれさえすればいいし、ウィンウィンというやつですね、はい。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/友情を結び領土を広げていく。不良マンガメソッドに近いかもしれん、違うかもしれん。




  • インタビューはタイムマシーン3号。少年時代の思い出として語ってる「50巻まである単行本を一気に大人買いしたり」というのは『本気!』のことだろうか、たぶん違う。



※余談
本号と同日発売のコミックビームにて上野顕太郎が、かつてチャンピオンに『現代怪奇絵巻』を描いていた根本尚のパロディを描いているぞ。読もうコミックビーム

月刊コミックビーム2017年10月号

※明日には最新号発売。




  • 表紙は青高チア部。ここ数ヵ月のビーム表紙はヒロイン押しだな、いやーあざとい(棒)。





●オカヤイヅミ『ものするひと』/新連載。作家の日々。絵柄の静物としての画面の浸食が独特で、その中である言葉。最後のネタには帽子男がダブったが。

●伊図透『銃座のウルナ』/最後の一人としての情念ではあろうが、それすらも最初から“殺されて”いた、と。

●conix『青高チア部はかわいくない!』/修業パート。「かわいくない」は、そういうことなんだよな。

三宅乱丈イムリ』/動かない顔の見せ方と、それとの対比がもう。そしてまた、裏切りと相対する展開になるわけか。兵器による襲撃もだが、苛烈さを一貫して冷徹に描写する筆力よ。

山田参助あれよ星屑』/死。最後のコマ、この処刑描いたのはすごいけれど単行本化時に消し入るかも。(前例『パノラマ島綺譚』)

ジュール・ヴェルヌ、倉薗紀彦『地底旅行』/閉鎖空間からの行き先は。次回最終回。

小林多喜二唐沢なをき『僕らの蟹工船』/アレンジつうかなんつうかもう、軽いなおい。やっぱ猫耳少年かよ。

田中貢太郎近藤ようこ『蟇の血』/着物姿で泣き伏す女性をこのアングルから、という絵もなかなか見れないか。

おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/箸。教育という要素入るとな。図示がちょっと前の刃牙と印象ダブった。

●谷口菜津子『彼女は宇宙一』/読み切り。前回掲載作品に続き、異物と女性マンガ要素の組み合わせがおもしろい。『ヨメがコレなもんで。』の宮田絋次思い出すなど。

●H.P.ラヴクラフト、田辺剛『狂気の山脈にて』/ショゴスあらわる。息を飲む絵力。

いましろたかし『新釣れんボーイ』/過去作品映画化、とまた混沌たる要素が。新機軸ではある。

山川直人『小さな喫茶店』/『団地ともお』の樫野さん思わせる導入ながら、展開はまあ別物。そこにいる人々。

上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/怪奇マンガパロディ、とオチが予想外だよ。

須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/「どこか」が「あそこ」へと変わる。目的地がある、行ける場所である、ということがこの旅の終わりになるのか。

●市川ラク『わたし今、トルコです。』/前連載が日本のトルコ料理店で今回はトルコの食生活、そのリアルの違い。


松田洋子『大人スキップ』/くろけー…。われ鍋にとじ蓋、と言うにもあんまりな重さだが。

●おくやまゆか『むかしこっぷり』/生と死と、と思わせておいてこのオチ。いや、死には変わりないんだけど。こういうノリで話すおばさんいるよね。

●横山旬『あらいぐマンといっしょ』/最終回。最後まで嵐のように走り去る幕引き。ババアもよかったね。お疲れ様でした。




  • 電子版会員サービスが低価格へと一新。すいません、当方はネット環境的に…。



※余談


コミックビーム100担当編集者の本気鈴氏ですが、ビーム関連の過去仕事では『利平さんとこのおばあちゃん』単行本を出しています。いい作品だぞ、読もうビームコミックス!
利平さんとこのおばあちゃん 上 (ビームコミックス)